代替ミニマム税 (AMT)のIRSへの支払い

2024年11月14日

通常の連邦所得税の計算では、最低限負担すべき税額に満たない場合、代替ミニマム税（AMT）と呼ばれる税制に対応する必要があります。

代替ミニマム税（AMT）とは、通常の連邦税（Regular Tax）の計算に加えて、優遇税制を利用することによって本来納めるべき税負担額が低くなっている納税者に対して、異なるルールで所得税を再計算し、税負担が低くならないよう制限を設ける制度です。高所得の納税者がある種の有利な収入や特定の控除、その他の税制上の優遇措置を受ける資格を有していても、試算ミニマム税額（Tentative minimum tax）が通常の連邦税を上回った場合、その超過分がAMTとなります。

AMTは、高所得者の所得税だけでなく、信託や遺産にも適用されます。

前項で述べたように、AMTは試算ミニマム税額が通常の連邦税を超過した場合のみ課されます。従って、その超過した差額をAMT として追加納付します。

試算ミニマム税額は、通常の税金とは別に、一般的に以下の手順で計算されます：

1. 加速度減価償却費、欠損金、受動的活動損失（Passive activity losses）などの一時差異（Timing Differences）項目の調整や、通常の課税所得の計算で使用されている項目別控除（Itemized deductions）を除外または減額する、また税優遇項目を考慮して 代替ミニマム課税所得（AMTI）を再計算する

2. 適切なAMT基礎控除額を差し引く

3. (2) で計算した金額に適切なAMT税率を掛ける

4. 外国税額控除等のAMT Tax Creditを差し引く

税法によりAMT基礎控除額とAMT税率は、キャピタルゲインと適格配当に対する特別な調整をし、毎年定められます。

AMT 税率

個人の 試算ミニマム税額は以下の通りです:

1. 納税者の代替ミニマム課税所得の内、免除額を超える部分の26％に加えて

2. 代替ミニマム課税所得の閾値を超える部分の28％.

2024年のAMT免除額は、夫婦合算申告者又は寡婦/夫で133,300ドル、単身者又は特定世帯主で85,700ドル、夫婦個別申告者で66,650ドルです。

AMT免除額が段階的に廃止され始める閾値は、夫婦合算申告者又は寡婦/夫の場合は1,218,700ドル、単身者又は特定世帯主、夫婦個別申告の場合は609,350ドルです。

税率28%が適応される課税所得の超過額は232,600ドル（夫婦個別申告の場合は116,300ドル）です。キディ税（Kiddie Tax）の対象となる子供のAMT免除額は、その子供の所得に9,250ドルを加算した額となります。

税法の詳細は分かりにくいものと思います。ご質問等ございましたら、何時でも弊所の方までお問合せください。