2024年5月17日
ビジネスにおいて、顧客を知り、どのようなサービスを提供すべきか理解しておくことは非常に重要です。会計事務所を例にすると、ある程度作業工程や様式が決まっている単純な税務申告の場合には、お客様のことを深く理解することなく作業を終了させることも不可能ではありません。しかし、弊社のミッションは、「人と会社を強くする」であり、ただ会計サービスを提供するだけでなく、ビジネス全体を通じてお客様の成功を陰から支え、ともに強い企業に成長していくことを目標としています。
そのミッションを遂行するには、やはりお客様のことをよく知り、お客様の米国での成長・成功のため、よきパートナーになる必要があります。とは言え、私を含め、弊社スタッフ一同まだまだお客様を十分に理解出来ていないことも多々ある反省も含め、Beer Bashを通じて、少しでもお客様を理解するために何が出来るのか、話し合ったことを皆様と共有させて頂ければと思います。
お客様を知るために必要な情報は何かを考える
まず最初に、その会社が何をしている会社なのかを知ることは重要です。例えば、下記のような側面を考えることは、お客様を理解するうえで役立ちます。
・業界 | ・市場 |
・製品 / サービス | ・価格帯 |
・地域 | ・販売方式 |
・営業 / マーケッティング | ・競合 |
業界、製品・サービスの理解のみならず、どの市場や地域で展開し、どのような販路を持ち、どのような競合相手が存在し、どう成長して社会に貢献したいと思っている会社なのかを理解することは必須です。
その上で、プロジェクトの実行段階においては、各社それぞれの方法、時間軸、技術に違いがありますから、お客様の経営層や実務担当者とより綿密にコミュニケーションをとることが重要となってきます。
顧客が何を欲しているのかを考える
税務を例にすると、お客様は実際にいくら税金を払っているかより、払った税金が高い・または安いと「思っているか」の方が重要なことが往々にして多いものです。私たちの金銭感覚で一生懸命リサーチをして、税務スキームを作って「節税のサポートをした!」と思っていても、それが実際にお客様の求めていることで無ければ、その仕事は大きな意味を持たないことになります。
多少のリスクを取っても節税スキームを設定したい方もいれば、同じ時間を使うのであれば、経営管理サポートや分析など、経営をどうしていくかのアドバイスを求める方もいます。ビジネスをする目的や、プロジェクトの目標値など、似ているようで各社方針が違いますので、まずは各顧客が達成したいことはどういうことか、その目的がどこにあるのか、要点を洗い出し、懸念点を明確にし、具現化してお客様と共有することが必要です。
米国でビジネス展開することに対して不安を感じるお客様もいらっしゃることと思います。弊社が持つ専門性をどのように活かしていけるのかを考えて、お客様と期待値を合わせることが重要です。
コミュニケーションの手段を考える
一口にコミュニケーションと言っても、その手段が目的に合っていなければ、効果は薄れてしまいます。現代はインターネットや携帯電話の普及により、コミュニケーションの手段も多様化し、費用も格段に下がりました。私が最初に渡米した時の、一分間100円を超える通話料金の時代と比べると、隔世の感があります。しかし、コミュニケーション手段が増えて便利になった反面、ツールの選択を間違えると誤解を招いてしまう惧れがあります。実際の手段は簡単な順に、メール、チャット、電話、ビデオ会議、実際のミーティングと続きますが、各手段の特徴を理解することは重要です。
メール:ビジネスにおける一番簡便なコミュニケーション手段ですが、書きたいことを一方的にぶつけてしまう側面があり、ニュアンスが伝わりづらい所があります。その反面、やり取りの履歴が明確で、文章として形に残ることから、事実確認などに向いています。一方、お客様との個人的な信頼関係を築くには不向きかも知れません。
チャット:事実確認のような、長い文章を書くには向いていませんが、短い文章を書いて即時に意思を確認するには向いているという側面があります。また、返信が来るタイミングも早く、相手側の状況や、心情などの温度感が伝わりやすいように感じます。相手方には、メールより親近感を持って接してもらえる可能性がありますが、カジュアル過ぎる会話にならないよう注意しなければなりません。
電話:音声通話は、正式な記録を残しにくい面がありますが、本人の肉声を直接聞くことが出来、どのようなトーンで相手が接しようとしているのか、相手の心情を把握することに役立ちます。また、相手の反応も即座に返って来るので、メールでは複数回のやり取りになってしまいそうな時や、直に相手の温度感を感じながら会話を進める必要性がある場合には向いていると感じます。一方、電話を掛ける時間帯などを間違えると、個人の時間を侵害されているように受け取られる危険性があります。
ビデオ会議:現在はZoomやTeams、Google Meetなどが対面式のコミュニケーションツールとして定着してきた印象があります。この段階にきて初めて、相手の顔を見て、声を聴きながらの会議を行うことが可能となり、相手の表情を見ながら、実際の相手がどう感じているのか、より詳細に知ることができるようになります。その反面、会議ツールの設定が事前に必要など、タイムリーに行い難いと言う弱点があります。
実際に会う:ビデオ会議でも相手の顔を見たり、声を聴いたりすることはできますが、実際に会うことで、五感を活かして相手の人間性や場の雰囲気などを感じ取り、どのようにプロジェクトを進めていけばよいのかなど、想像力と経験を総動員させてビジネスをスピーディに進めていくことが出来ます。また、一緒に食事に行くなど、お客様とのプライベートな時間を持つことができるようになり、信頼関係が築きやすくなる利点があります。ちょっとした小話などを聞く機会も増え、この後のお客様とのやり取りがよりスムーズになる効果が期待できます。こうしたことから、実際に会って話をすることは、現在でも最も効果的な手段であると言えます。その反面、指定した場所に行く時間や交通費など、時間と費用は他の手段より遥かに掛かってしまう弱点があります。
以上の様に、お客様を知るための目的によってコミュニケーションの手段を選ぶ必要があります。しかし、コミュニケーションのツールより何より一番大事なことは、各スタッフがお客様に興味を持ち、会社の概要をよく把握し、その会社がどのような成長を遂げたいのか理解することに尽きます。弊社では、お客様とのコミュニケーション通して、お客様をよく理解し、成功を願い、そのためには何が必要なのかを考えて行動するスタッフが育つよう、今後とも努力を続けて参りたいと思っています。
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