Recent Posts

​Categories

Archive

Tags

2020年度個人税務:年末までのタックスプランニング


2020年度も終わりを迎えようとしていますが、今年度はCOVID-19の影響で個人税務についても多くの税務上の緩和措置などが用意されました。以下では、COVID-19による税務上の緩和措置を中心に改正点をお伝えします。規定によっては、年末までにタックスプランニングを行うことで税務上のメリットを享受できるものも含まれておりますので、ぜひご活用ください。


Economic Impact Payment(EIP)

申告義務がない個人はEIPの申請をし忘れたとしても、2020年度の申告においてForm1040上で税額控除が取れる可能性があります。

本来受け取れるEIPの額よりも多くの金額を受け取ったとしても納税者は返還する必要はありません。ただし、そもそも受給する資格がない場合は返還しなければなりません。例えば、故人や非居住外国人が該当します。また、2018年又は2019年に扶養家族を申告した方がその扶養家族につき$500の追加的EIPを受け取った場合、たとえ2020年の申告においてその家族を扶養家族として申告しなくても、返還の必要はありません。


リタイアメントプラン

CARESにより、COVID-19に関連する費用を賄うために2020年中にIRAから引き出した金額については、最大100,000ドルまで早期引き出しのペナルティが課されません。引き出し額に帰属する所得は3年間に分割して課税対象に含める必要がありますが、引き出し額は3年間以内であれば年間拠出上限額にかかわらず再拠出が可能です。

リタイアメント口座からの最大可能借入額は、50,000ドル又は口座残高の50%のいずれか少ない金額から100,000ドル又は口座残高の100%のいずれか少ない金額に引き上げられました。この引き上げは、2020年3月27日から2020年12月31日までの借入が対象となります。また、COVID-19と診断された納税者やCOVID-19により経済的な被害を被った納税者は2020年3月27日から2020年12月31日までに返済期限が到来するローンについては、1年間返済を遅らすことができます。

2020年度においては、最低引き出し額が一時的に免除されます。しかしながら、最近では、最低引き出し額が適用される年齢が引き上げられたり、IRAの70.5歳での拠出制限が廃止されたり、非配偶者への相続の引き出し期間の短縮などの変更がなされているので、IRAの拠出を継続する計画を検討したり、受取人の指定を再検討したするとよいでしょう。


寄付金控除

通常、項目別控除を選択しないと適用できない寄付金控除につき、2020年に限り、最大$300までabove-the-lineで控除ができることとされました。

また、通常の項目別控除での寄付金控除についても、2020年に限り、控除の上限額が従来のAGI(調整総所得)の60%から100%に引き上げられています。

CARES Actにより2020年度においてはIRAの最低拠出額の要件が緩和されてますが、70.5歳以上の納税者は引き続き最大$100,000までIRAから直接の寄付を行い、その金額をAGIから減額することができます。


学生ローン

雇用主が2020年12月31日までに従業員に払い戻した学生ローンの元本と利息は、従業員の所得税の計算上、最大$5,250まで所得から除外できます。


Kiddie Tax

TCJAによるKiddie Taxに関する改正は、Kiddie Taxの適用の簡素化を意図したものでしたが、低所得者等の税負担を増加してしまう意図しない結果を招いたので、2020年からTCJA以前のルールに戻す改正がなされました。TCJAの影響を受け2018年、2019年に税負担が増えた納税者については、2018年及び2019年の計算に2020年の改正後の税率を適用して修正申告することが認められます。


災害被害の緩和措置

連邦政府が災害被害地区として指定した場合については、いくつかの税法の規定でそれらの災害による影響を受けた納税者の経済的な負担を緩和する措置を設られています。状況により、IRSが申告期限や納付期限の延長を許可する場合があります。個人、法人のどちらも前年の申告書において災害損失を控除する選択ができるので、それにより早く還付を受けることが可能になります。COVID-19も連邦指定災害ですので、災害損失控除の要件を満たしますが、どのような損失、どの期間における損失が災害損失控除の対象となるかについては今後IRSから追加的な情報を待つ必要があります。


2020年に適用期限が終了する規定

以下では、適用期限が終了する規定をいくつか紹介します。ベネフィットを取れるものがあれば年内に適用をご検討されるといいかと思います。また規定によっては遡及的に適用されるものもありますので、ベネフィットが大きければ過去の申告書につき修正申告を提出し、ベネフィットを受けることは検討の価値があるかもしれません。

• 2020年12月31日までに実際に債務免除されたまたは書面での決定がなされた主たる住居に係る借入金の債務免除益については課税所得から除外されます。

• 2018年1月1日以降に発生または支払ったモーゲージ保険の保険料は住宅ローンの利息として控除が可能です。

• 対象教育機関に対する授業料や入学費用等については、above-the-lineで控除が可能です。納税者自身の授業料だけでなく、配偶者及び扶養家族の授業料等も控除の対象となります。

• 2020年12月31日までに稼働した非事業用省エネ資産の取得・設置については、税額控除の適用が可能です。省エネ資産には、省エネヒーターやエアコン、バイオマスストーブ、省エネ効果のある窓、ドア、天窓、屋根などが含まれます。

• 医療費控除につき、2020年度はAGIの7.5%を超える医療費が控除の対象となりますが、2021年度からAGIの10%に引き上げられるので、もし多額の医療費が生じることが想定され、その支出の時期を早めることができるならば2020年度内に支出することで税務上のメリットは大きくなります。ただし、医療費控除は項目別控除によるものなので、標準控除を取る場合はメリットはないのでご注意ください。

• 適用対象となる健康保険に加入している納税者は月々の保険料を相殺する税額控除の適用が可能です。


Protective Claims

現在、最高裁判所でNet investment income tax(3.8%)とMedicare surtax(0.9%)の合憲性が審議されており、最高裁が上記課税を違憲とする場合、過去に払った納税者は時効となっていない年度につき還付を受け取る可能性があります。


以上では改正点などの要点だけをお伝えしておりますので、実際には適用を受けるために詳細な要件をクリアする必要や、他の税への影響など包括的なタックスプランニングが必要になることがあります。ご質問等ございまいたら、弊社までご連絡ください。