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2020年度 税務申告準備:居住ステータスの把握




米国では納税額を確定するために居住者(Resident Alien)と非居住者(Nonresident Alien)の区分が重要となります。居住者は米国市民と同様に全世界所得に対して課税されますが、非居住者は、通常、米国内での役務の提供や事業から生じる所得、またその他の特定の米国源泉所得に対してのみ課税の対象となります。そのため、非居住者のステータスは米国税法上多くの利点が存在します。

まず、税務申告作成の最初のステップとして、居住ステータスの確認をする必要があります。このステップは居住関連の法律も関わってくるため、大変複雑となっております。租税条約に基づき居住地が決定される場合もありますが、租税条約が存在しない場合、米国では次の3つの条件のいずれかが満たされば場合のみ居住者として扱われます。


1. 米国永住権(グリーンカード)を有している

2. 米国実質滞在テスト(Substantial Presence Test)の条件を満たしている

3. 居住者のステータスを自ら選択する


永住権テスト:「グリーンカードテスト」とも呼ばれるこのテストは移民ステータスに基づき居住ステータスを判断します。個人がグリーンカードを有している場合、その個人は合法的な米国の永住者として扱われます。


米国実質滞在テスト:このテストは米国での滞在日数に基づき居住ステータスを判断しており、以下の条件を満たす場合税務上では居住者として扱われます:

• 申告対象年の米国滞在日数が31日以上、かつ

• 申告対象年における滞在日数+前年の滞在日数×1/3の日数+前々年の滞在日数×1/6の日数の合計が183日以上

また、カナダおよびメキシコから米国への通勤に掛かる日数や、飛行機の乗り継ぎのため米国に滞在した時間が24時間以内の場合、疾病のために米国から出国・帰国できない日数等は滞在日数の計算には含まれません。


ただし、このテストで居住者として判断された場合でも、米国以上に他国との税務関連性が強いと判断されれば、非居住者として認められる場合もあります。また、米国に入国した年では二重申告身分(Dual Status)の適用が可能であり、一年の内非居住者として扱われる期間と居住者として扱われる期間を分ける事ができます。


さらに、IRSはCOVID-19の緊急事態から生じる渡航困難に関連した救済措置を提供しており、COVID-19の影響により米国から出国が出来ずに発生した滞在日数は、居住ステータスの計算からは省かれます。また、米国内での役務の提供により生じた収入に対し租税条約の恩恵を受けるか判断する場合も、そのような滞在日数は考慮されません。


居住者ステータスの選択:一般的には、申告対象年の間に配偶者が非居住者である場合、夫婦合算申告を行うことはできません。ただし、一方の配偶者が米国市民または居住者である場合、非居住者の方を申告年度全体にわたり米国の居住者として扱われるよう選択して、合算申告を行うことが可能です。この選択をした場合、申告者とその配偶者は全世界所得で課税が行われ、それ以降の全ての年に選択が適用されます。居住者としての選択は取り消しの申告、配偶者の死亡、離婚等によって取り消すことが可能ですが、一度選択を取り消した場合、それ以降同じ配偶者と居住者選択を行うことはできなくなります。


以上のように居住ステータスの確立と終了及び駐在には特定のルールが存在することをご留意ください。