2022年11月9日
昨今、企業による個人事業主の活用が増えています。この傾向はIRSの注意を引いており従業員と個人事業主の線引きを見直そうとしています。実際にIRSが労働者の再分類を行えば、雇用主負担分のソーシャルセキュリティ税やFUTA税の請求に加えて、罰則や利息が発生する可能性もあります。
従業員と個人事業主の分類
労働者を使ってサービスを提供する場合、各労働者が独立した請負業者であるか、それとも従業員であるかを判断しなければなりません。労働者がどのように分類されるかは、各状況によって異なります。そのため適切な分類は、必ずしも明確ではありません。しかし、連邦税のいくつかの理由から、この区別は非常に重要です。
労働者に給与を支払う者が、雇用税、所得税の源泉徴収、ソーシャルセキュリティ税およびメディケア税の支払い、連邦失業税の支払い、雇用税の報告などの責任を有するかどうか。
特定のフリンジベネフィットの受給資格と税務処理。
支払者の事業が、医療保険の規則に基づく「大規模雇用主」であり、従業員に医療保険を提供することが義務付けられているかどうか。
労働者がサービスの提供に関連する特定の費用を控除する権利。
雇用税法上の分類
労働者が雇用税法上の従業員として分類される場合、雇用主は以下の責任を負います。
連邦所得税の源泉徴収。
ソーシャルセキュリティ税およびメディケア税の従業員負担分の源泉徴収。
ソーシャルセキュリティ税およびメディケア税の雇用者負担分の支払い。
連邦失業税の支払い。
一方、企業は、独立した請負業者への支払いについて、源泉徴収や雇用税の義務を負いません。独立した契約者は、所得税、ソーシャルセキュリティ税、メディケア税(自営業税)を自身で支払う義務があります。
労働者の判断基準
労働者の分類をするための判断基準の重要度は各事例の事実と状況によって異なります。IRSは、過去の20のファクター・テストを簡略化し、以下の3つのカテゴリーに基づいて労働者の分類を試みています。
(1) 行動制御
指示を受ける:仕事の進め方を徹底的に指示された場合。
研修:必要な手順や方法についての教育が行われている場合。
(2) 財務的統制
重要な投資:労働者が自身の仕事に多額の投資をしている場合
経費:ビジネス上の経費の一部または全額が払い戻されない場合。
損益機会:労働者が自身の利益を実現する、または損失を被る場合。
(3) 当事者の関係
従業員の福利厚生:保険、年金、有給休暇などの福利厚生を受けているかどうか。
書面による契約:契約書は、労働者とビジネスの双方が求めている関係を示します。
労働者の分類における注意事項
事業者が従業員を雇用税法上の個人事業主として誤分類した場合、雇用税の雇用者負担分の支払い、従業員の雇用税の負担分の少なくとも一部の支払い、また罰金を負担することになります。
このような複雑な状況の中にも、良い知らせがあります。第一に、誤分類が意図的でない場合、支払うべき税金が減る可能性があります。第二に、労働者を常に独立した契約者として扱ってきた場合、IRSはその扱いの継続を認める場合があります。このセーフハーバーを利用するには、その個人を従業員として分類しない合理的な理由があり、フォーム1099などの非従業員に必要なすべての申告を行っていたことが必要となります。第三に、全ての要件を満たすことができないが、必要な申告はしている場合、支払うべき税金の減額されることもあります。ただし、IRSの再分類要求が正しくない場合もあるため、迅速な和解ではなく、訴訟の方が良い場合もあります。
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