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経営者の視点から ~Planning&Timing(前編)~

更新日:2023年8月18日

2023年7月14日



どの業種であったとしても、手掛けるプロジェクトに対して計画を立て、その計画に可能な限り沿った形で遂行していくことは必要なことです。しかし、世の中には計画を立てるのが上手な人と下手な人がいます。また、同じ仕事で同じ計画を立てたとしてもそれを計画通りに実行出来る人と出来ない人がいます。


それではどうすれば、思うように仕事を進めることが出来るのか、そこにはちょっとしたコツがあると私たちは考えています。その一部を皆さんにご紹介出来ればと思います。


1. ゴールが何なのかを明確に理解する

まずは、ゴールがどこにあるのか、何を達成したいのかを明確にする必要があります。非常にレベルの高い仕事なのか、一般的な仕事なのかで、要する時間も掛かる費用も変わってくるでしょう。また、そのゴールが独りよがりではいけません。お客様や上司など、最終的にその成果物を必要とする人と認識を合わせておくことはとても重要なことです。最後に何をどのように達成したいのか、それを明確にすることから全ては始まります。


2. 締切を設定し、必要な工数を逆算する

最終成果物を理解したら、次はその成果物を渡す締切を設定します。例えば年次決算の財務諸表を提出するのが最終成果物だった場合、最終締め切りは2月末かも知れません。しかし、資産の部の締切を1月15日、負債の部の締切を1月20日、税効果会計の締切を1月末、そして最終の財務諸表の締切を2月15日と、小さな締切(マイルストーン)を幾つか作っておくことで、進捗に遅れが無いか、全体の進捗がどの段階にあるか分かるようになります。また、その過程で、そこに費やす工数がどの程度のものか、把握できるようになるはずです。特にタイムマネジメントに自信がない人ほど、マイルストーンをきちんと設定し、追跡しておくべきでしょう。


3. 重要性を理解し、スケジュールを調整する

一つのプロジェクトだけやっておけば良い、という職業は稀で、ほとんどの人は複数のプロジェクトやタスクが同時進行しているものです。その中で、重要性の高低、緊急性の高低などでどの週にどのプロジェクトをどの段階まで終わらせるかを判断していきます。重要性と緊急性が高いものは確実にその週に終わらせなければなりません。難しいのは、緊急性が高いが重要性は低いものと、緊急性は低いが重要性が高いものをどう判断していくかです。緊急性は高いが重要性は低いものに、私たちはついつい時間を使いがちですが、常に「本当に今やらなければならないことか」チェックをしながら、判断していくべきです。また、忘れがちなこととして、「緊急性は低いが重要性は高い」ものに一定の時間を割く計画性を持つことです。特にマネジメント層に上がれば上がるほど、今すぐに完成する必要が無いもの、例えば会社の長期ビジョンの策定などを確実に抑えておく必要が出てきます。会社全体にとって非常に重要なものなので、緊急性は低くとも、常にプロジェクトの進捗は管理しておくべきでしょう。


4. 定期的に認識合わせを行う

上司やお客様と、自分の仕事がどの地点にあり、どう進んでいるかを定期的にミーティングなどを行って認識をすり合わせをすることが重要です。特に初期段階や、経験が浅いスタッフが配員された時ほど、間違った方向に進みがちなので、ミーティングの間隔を短くして認識を合わせる必要があるでしょう。その時のミーティングは、決して長い時間をとる必要はありませんが、最低

  • 方向性や考え方は正しいか

  • 必要な予算や人員は確保できているか

  • 予定通りに進んでいるか

  • どのような問題が将来的に起こりうるか

の認識合わせはやっておくべきだと思います。そうしておくことで、間違った方向に進み続け、気が付いた時には問題が大きくなっていたという事態を防げるようになります。

5. お客様とサマリーミーティングを行う

最終成果物を提出する際に、それが何を意味するのか、可能な限りサマリーミーティングを行うこととしています。特に難易度が高かったり、理解するのが難しい事柄ほど、受け取る側も理解が難しいものです。成果物の内容を知らないお客様の視点に立って丁寧に説明することにより、聞き手側の理解が促進され、認識のずれを防止することになり、満足度も高くなります。そして、成果物を提出する側にとっては、後々追加説明に要する時間が少なくなることにもつながり、両者にとって有益であると言えます。


6. 内部でサマリーミーティングを行う

最後に、プロジェクトチーム内部でプロジェクトの総括を行います。弊社の場合、時間と金額の予算と現実の比較、成果物の品質とお客様の反応、各スタッフのパフォーマンスレビューなどを軸にミーティングを行うこととしています。これを行うことで、スタッフのプロジェクトへの理解が進み、早いサイクルで今後の成長へつなげることが出来ると考えています。


上記は、弊社内部で共有されているPlanning & Timingの骨子ですが、もう一つ、とても重要なことがあります。それは「自分の性格を知る」ということです。小学生でも、夏休みの宿題をきちんと振り分けて終わらせる子もいれば、夏休みが終わる3日前に大慌てをするタイプの子もいます。ちなみに、お恥ずかしながら私は後者のタイプでした。 例えばこの「経営者の視点から」のコラムの締め切りは、本当にギリギリであれば発行日の前日なのですが、過去に上手に書けずに困ることがありました。基本的には「経営者の視点から」は弊社のアクシスをBeer Bashで話し合ったものの総括が基本ですので、今は自分への締切を「Beer Bash Summary」をやった週末の日曜日4PMと決めて、それまでにドラフトを仕上げ、アシスタントと会議をする、ということになっています。そう締切を決めてそれを守るようにしてからは、徐々に記事のストックが増え、今は3か月後のコラムを今書くようになりました。上司に限らず、同僚に進捗の報告をする期限を設けることで、自分に甘えを許さないシステムを作ることが出来るようになります。


このように、6つの基本を忠実に守りながら、自分の性格を知り、その弱点を補うことで、計画をギリギリになることなく余裕を持って進めることが出来るようになるはずです。実際には、思い通りにいかないこともあるかと思いますが、やはり基本に忠実である以上に大事なことはないと思います。弊社も全社員をあげて、「Planning &Timing」を確実に行うことが出来るよう、努力を続けて参ります。





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