米国に通年居住していた場合、ほとんどの方が個別控除を利用することで利益を得ることが出来なくなっています。
理由としては、
1) 2018年より施行されたトランプ税制改正により、標準控除の金額が各申告身分でほぼ倍増したことがあります。独身の場合2017年6,350ドルから2018年12,000ドル(2019年12,200ドル)、夫婦合算申告で2017年12,700ドルから2018年24,000ドル(2019年24,400ドル)に増加しました。
2) 州税を始めとする支払い税金に対する控除が夫婦合算申告で最大10,000ドル、独身で5,000ドルの制限が課せられたこと。
弊所お客様に多く見られるバックグランドを考慮して言い換えますと、米国通年居住者で夫婦合算した場合、州に納めている源泉徴収税、米国固定資産税(米国外固定資産税は2018年より対象外)、自動車のRegistration Feeの合計が10,000ドルを超えていても、10,000ドルの控除額にとどまります。従って残り控除できるアイテムとしてよく見られる住宅ローンの利子、外国での所得税または住民税の支払い、寄付等の合計が14,000ドルを超える金額にならなければ標準控除を選択するほうが課税所得をより減額できる仕組みになっています。
以下その他留意いただく点です。
医療費は調整後総所得の10%を超えた部分のみが控除可能ですので、かなり高額な医療費を支払わない限り控除が難しい状況です。例:調整後総所得100,000ドル。その10%が10,000ドル。医療費の支払いが11,000ドルの場合1,000ドル(11,000-10,000)のみが控除可能な医療費となります。$10,000以下の医療費は控除対象となりません。
日本に自宅があり、かつ賃貸にだされていない住宅ローンについても控除可能となります。
ただし当該年度に赴任、帰任された場合は、標準控除ではなく個別控除を使用することが義務付けられていますので、分かる範囲でできるだけご記載ください。