Big Beautiful Bill(OBBBA)法:「チップ」と「残業代」に関する所得控除
- TOPC Potentia
- 4 時間前
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2026年3月12日

2025年7月4日に成立したOne Big Beautiful Bill(OBBBA)法により、2025年から2028年の各税務年度において、条件を満たす方は連邦所得税の負担が軽くなる可能性があります。今回の主なポイントは、1. チップ と2. 残業代 に関する2つの一時的な控除です。
最初に、よくある誤解を1点だけ補足します。ニュースなどで「チップは非課税」「残業代は非課税」といった表現が見られますが、今回の制度は “完全に非課税” ではなく、連邦所得税の控除です。チップや残業代は、引き続き 社会保障税(Social Security)やメディケア税(Medicare)の対象となる可能性があります。また、州税や市税などは、お住まいの地域や勤務先により扱いが異なる場合があります。
チップ (Qualified Tips) に関する控除
対象となる従業員(状況により一部の自営業者を含む)は、2025年~2028年の各年について、適格チップ(qualified tips)を 年最大25,000ドルまで控除できる可能性があります。
控除の対象例(概要)
お客様が任意で支払う:
◦現金チップ
◦クレジットカード決済などで受け取るチップ
◦チップシェア/チッププールで受け取るチップ
◦2024年末以前から、チップを受け取る慣行がある職種で得たチップ
対象外になりやすい例
お客様が金額を選べない自動加算の料金(いわゆる必須のサービス料)は、通常はチップとして扱われず、一般的に控除対象になりません。
所得に応じた制限
この控除は、収入水準によって控除額が段階的に小さくなり、一定の所得を超えると適用されません。判定には 修正後調整総所得(MAGI)が用いられます。
減額が始まる水準:150,000ドル(単身)/300,000ドル(夫婦合算申告)超
適用されなくなる水準:400,000ドル(単身)/550,000ドル(夫婦合算申告)
そのほか、申告書に有効な SSN の記載が必要となること、既婚の場合は原則として夫婦合算申告が必要となることなど、追加要件が適用される場合があります。
残業代(Qualified Overtime Compensation)に関する控除
対象となる方は、2025年〜2028年の各年について、適格な残業代を 年最大12,500ドル(夫婦合算申告は 年最大25,000ドル)まで控除できる可能性があります。
一般的に控除の対象となるのは、FLSA(Fair Labor Standards Act)で求められる残業の 割増部分です。たとえば 、残業代が通常賃金の1.5倍として支払われる場合、控除の対象となるのは上乗せされる0.5倍分(50%の割増分)が中心で、通常賃金に相当する部分は含まれない整理になります。
所得に応じた制限
減額が始まる水準:150,000ドル(単身)/300,000ドル(夫婦合算申告)超
適用されなくなる水準:275,000ドル(単身)/550,000ドル(夫婦合算申告)
実務上の注意点(2026年に行う2025年分の申告分)
制度開始初年度となる2025年は、移行上の取り扱いにより、給与関連の書類で「適格チップ」や「適格残業代」が分かりやすく区分されていないことがあります。申告の際に慌てないためにも、記録を手元に残しておくのがおすすめです。
該当しそうな方は、次の資料を保管してください
年末のペイスタブと年累計の給与サマリー(残業計算が分かるもの)
チップ収入がある場合は、簡単なチップ記録と、W-2や1099への反映状況(必要に応じてForm 4137)
雇用主側の方は、給与計算会社に、適格チップ・適格残業代の集計や表示の対応状況を確認




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