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2023年の納税プランニング:外国人の税務ステータスの取り扱いについて

2024年2月16日



米国での税務申告において納税者が米国居住者か米国非居住者かを理解することは非常に重要です。米国居住者(Resident alien)は、米国やその他の国で稼得したすべての所得を米国で課税されます。(これを全世界課税と呼びます。)一方、米国非居住者となった場合は、基本的に米国内で稼得した所得のみが米国で課税されます。したがって、米国非居住者と判定された場合、税負担が米国居住者と判定されるよりも有利になることがあります。まず初めに、納税者が米国非居住者であるかどうかを確認しますが、居住に関する決まりが複雑であるため、ルールを慎重に理解することが求められます。また、一般的に租税条約があれば、居住の判定にそれが用いられますが、無い場合は以下の3つの条件に該当するかどうかで居住の判定を行います。

 

  1. その年の間に米国永住権(グリーンカード)を保持したか

  2. 米国実質滞在テストを満たしたか

  3. 米国居住者を選択したか

 

米国永住権テスト

このテストはグリーンカードテストとも呼ばれています。もし納税者がグリーンカードを取得すると、米国のみならず、どの国に居住していても米国居住者として扱われ、納税義務が発生します。

 

米国実質滞在テスト

その年の米国滞在期間が30日を満たない場合、このテストは満たしません。一方で少なくともその年に30日間、米国に滞在した場合は、以下の合計日数を計算します。

  1. その年の滞在日数

  2. 前年の滞在日数の1/3の日数

  3. 前々年の滞在日数の1/6の日数

もし上記の合計日数が183を超える場合、内国歳入法上、米国居住者とみなされます。租税条約上の取り扱いなどについては、後程説明します。

 

免除日数

米国実質滞在テストには米国滞在日数から免除できる日数の規定があります。

  • カナダ又はメキシコから米国へ働くために通勤する日数(出張などではなく、定期的に通勤していること。)

  • トランジットのために24時間未満米国で滞在した日数

  • 外国船舶の乗組員として米国に滞在した日数

  • 健康状態の悪化により出国が不可能であった日数

  • 免除対象者として米国に滞在した日数(ビザステータス等)

 

もし上記のいずれかのテストが該当した場合、米国永住権を取得した日又は米国実質滞在テストを満たした日のいずれかの早い日を米国居住開始日とします。言い換えれば、納税者はこれら二つのテストの最初の日のうち、より早い方から米国居住者とみなされます。

 


上記は、居住外国人の判定をフローチャートにしたものです。上部の1番から順に判定し、滞在日数を計算してください。

 

米国実質滞在テストの例外(密接な関係の判断)

米国実質滞在テストに該当する場合であっても、内国歳入法第7701条(b)(1)(B)に基づき米国非居住者として扱われることがあります。

  • その年の米国滞在日数が183日未満であり、かつ

  • 米国よりも納税地を有する外国とより密接な関係があり、かつ

  • 年間を通してその外国にTax Home*を維持している。

 

*Tax Home: Tax Homeは、その人が勤務している事業所、勤務先、または部署の地域を指します。永続的にまたは無期限に従業員または個人事業主として仕事に従事している場所です。従って、家庭を維持している場所とは無関係です。

 

日米租税条約-タイブレーカールール

上記の例外に該当せず米国居住者とみなされる場合であっても(例:1年で183日以上米国に滞在した)、租税条約のタイブレーカーという規定を使うことにより、非居住者を選択する可能性が残されています。このForm 8833を記入し、租税条約を適用して外国居住者であることを主張する必要があります。

 

例えば、その人が日本または米国のいずれかの居住者とみなされる場合、以下のテストを用いて自身の適切な居住国を決定する必要があります。

  • 恒久的住居テスト:恒久的な住居が一つの国にある場合、その国が税法上の居住国とみなされます。

  • 中心的利益テスト:恒久的住居が両国にある、またはどちらにもない場合、家庭的・社会的・経済的な利益がどちらの国にあるかを判断します。

  • 常用住居テスト:利益の中心が両国にある、またはどちらにもない場合、常用している住居がどこにあるか、定期的にどこで生活をしているかで判断します。多くの時間を過ごす場所、定期的に滞在する場所を指します。

  • 国籍テスト:常用する住居が両国にある、またはどちらにもない場合、その人が有する国籍で判断します。どちらか一方の国籍を有する場合、その国が税法上の居住国とみなされます。

  • 相互協定手続:もしその人が両国の国籍を有する場合、またはどちらでもない場合、そして上記のテストで居住国の問題が解決できない場合、日米の管轄当局がその人の状況や事実を鑑みて、相互協定によってその人の居住地を決定します。

 

日米租税条約-米国滞在中に得た所得

日米租税条約第14条は、居住者である従業員が得た報酬に関する日米間の課税権を規定しています。第14条により、役務提供が行われた国でその報酬に対する課税が行われることが明記されています。例えば、日本国籍の個人が米国で就労して得た賃金に対しては、米国はその賃金に対して課税することができます。

 

ただし、日米租税条約によれば、非居住者が米国で得た給与所得は、次の条件をすべて満たさない限り、米国において課税されます。

1)      従業員が課税年度内に始まるまたは終了する12か月間で合計して183日を超えない期間に米国に滞

在していること。

2)      給与が米国非居住者の雇用主またはその代理人によって支払われていること。

3)      給与が雇用主が米国内に有する恒久的施設によって負担されていないこと。

 

言い換えれば、上記の条件を満たせば、非居住者は米国源泉所得について納税する義務はありません。

 

その他居住に関する事項

その他に二重身分者に該当する可能性もあります。この場合、課税年度が2つの期間に分割されます。一方の期間は米国居住者として課税され、もう一方の期間は米国非居住者として課税されます。最後に米国居住権の獲得、失効、放棄、国外退去などに関する特別な規定があります。さらに厳密には、米国居住者、非居住者にかかわらず、米国から税務上恒久的に出国する外国人はすべてIRS(米国内国歳入庁)から出国許可証と呼ばれる証明書を取得する必要があります。この証明書は、米国を出国する前に米国所得税法を順守していることを証明するものです。

 

当社はお客様の税務申告書を作成する際には、内国歳入法、租税条項、その他の法令を入念に調査し、プロフェッショナリズムと高度な専門性をもって税法の複雑性に対処しております。

 

複雑で難しい領域ではあるのですが、スタッフ一同、弊社の税務サポートがお客様のご期待に沿うことが出来るサービスになるよう、これからも努力して参ります。




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