OBBBA:超過事業損失の制限
- TOPC Potentia
- 1 日前
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2025年12月11日

2025年7月4日、トランプ大統領は「トランプ減税法案(One Big Beautiful Bill Act: OBBBA)」に署名し、同法は正式に成立しました。OBBBAには、個人および企業に影響を与える多数の税制改正が含まれています。その中で、非法人事業者に対する超過事業損失の制限が恒久化されました。
背景
非法人事業者は、超過事業損失を控除することができません。代わりに、控除が認められなかった超過事業損失は、翌年以降に繰り越される「繰越欠損金(NOL)」として扱われます。
この超過事業損失の制限は、2017年以降の課税年度に適用されるよう、減税・雇用法(TCJA)で導入されましたが、新型コロナウイルス危機への対応としてCARES法(新型コロナウイルス対策法)により、2020年以降の課税年度に延期されました。その後、2022年のインフレ抑制法により2029年まで延長されていました。
超過事業損失
超過事業損失とは、次の(1)が(2)を上回る部分を指します。
(1)納税者のその年の事業活動に関する控除額の合計
(ただし、その控除が超過事業損失の制限によって認められるかどうかは考慮しない)
(2)納税者のその年の事業活動に関する総収入または利益の合計
+ インフレ調整後の基準額
(2025年の基準額は、夫婦合算申告者で626,000ドル、その他の申告者で313,000ドル)
新法の内容
OBBBAにより、非法人事業者に対する超過事業損失の制限は恒久化されました。つまり、非法人事業者は、いかなる課税年度においても超過事業損失の控除を受けることができません。
さらに、超過事業損失の判定に使用される金額のインフレ調整基準年が変更され、2024年が基準年として使用されることになりました(従来は2017年)。この変更は、2025年12月31日以降に開始する課税年度から適用されます。
IRSのサイトでも、超過事業損失の制限について説明していますので、下記のリンクを参照にしてください。




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