経営者の視点から ~私心の無い判断を行う~
- TOPC Potentia
- 1 日前
- 読了時間: 4分
2025年12月11日

利己的な欲望は、生きる上で必要なエネルギーでもあります。しかし、度を越えて自分の欲望のままに判断を下していると、目先の利益にとらわれて大きな損失を招いたり、周囲からの信頼を失うことにもなりかねません。
一方で、自分の利益だけでなく、他者や社会全体への影響を考慮した判断は、より広い視野と自分の存在意義への深い理解をもたらします。そしてそれは、結果として自分自身の成長と、周囲の人々への長期的な利益につながっていきます。
私たちはこうした考えを頭では理解していても、実際に行動に移すのは難しいと感じることが多いものです。そこで今回は、スタッフとともに「私心の無い判断」の重要性について考えてみました。
他者の意見に素直に耳を傾けることが出来るようになる。
自分が良いと思ったアイデアでも、実際にはそれより良いアイデアがあるかも知れないし、アイデア自体が良かったとしても、プラスアルファの考えを得ることが出来るようになります。他者の意見を素直に、オープンな心で聞くことが出来るようになれば、自分の意見に固執することなく、より良いアイデアに昇華するために必要なものとなります。
常に私心丸出しの判断をくだす人は、セコく見える
この言葉は、実は弊社のインターンがBeer Bashの中で発した言葉を、そのまま書きだしたものです。部下の手柄を自分のもののように宣伝してしまう上司、人の足を引っ張ることばかり考える同僚、少しの仕事で大儲け出来ないかばかり考えているような人は、若者の目には「セコい人」と見えるそうです。「セコい上司」について行きたいと思う部下が、果たしてどれだけいるでしょうか。
• 感情的になりすぎない
自分の欲望にとらわれると、損得の感情だけで判断しがちになります。そして、目先の小さな損得で一喜一憂する人生を送ることになります。自分の利益だけでなく、取引をする相手にも利益を与えることが出来るような判断をくだすことが出来るようになれば、一時の感情にとらわれることなく、人としてどっしりとした土台を築くことが出来るようになるのではないでしょうか。そのような人こそ、周りの信頼を集めるものです。
私心の無い判断が出来るリーダーのもとには、私心の無い人たちが集まってくる
組織のリーダーが、どのような人間であるかで、周りに集まる人が決まってきます。利己の欲望丸出しで判断をくだす人には、やはり同じような人が集まって来ます。そして、少しでも自分の欲望にそぐわないと思えば、すぐにそのリーダーのもとを去ってしまうでしょう。かたや、自分の利益のみならず、部下やお客様のことまで気にかけて判断を出来る上司のもとには、やはり上司や、お客様のことまで考えて判断をする部下が集まることでしょう。どのような人と働きたいかを考えれば、私たちがどのようなリーダーであるべきか、自ずと分かってくるものです。
以前、私は「会計事務所のオーナーは、社員の給料を抑え、売上との差額で利益を出すものだ」と教えられ、その考え方を疑うことなく実践していました。どうすれば人件費を抑えられるかばかりを考え、その結果、仕事ができて翌年の昇給が期待できるような、優秀な人から辞めていく事務所をつくってしまったのです。
企業のリーダーが自分の利益だけを追えば、部下も同じように自分の利益を優先するようになります。そもそも、そんなリーダーについて行きたいと思う社員が、果たしてどれだけいるでしょうか。
この現実に気づいてから、私は考え方を根本から変えました。「社長は社員を使って仕事をするもの」ではなく、「社長は社員のために仕事をするもの」であり、社員に何を求めるかよりも、まず自分が何を与えられるかを考えるようになり、自分の利益よりも、どうすれば社員の給料を上げられるかを考え続けました。
毎週のBeer Bashでは、社員にどう成長してほしいか、どんなサービスをお客様に届けたいかを語り続け、社員の声に耳を傾け、その声を生かす努力を重ねてきました。毎月お届けしている「経営者の視点から」は、その対話の結果とも言えるものです。
どれだけの思いが社員に伝わっているかは分かりません。しかし、今こうして優秀な仲間に囲まれ、彼らが真摯に仕事に取り組む姿を見られることに、心から感謝しています。そして、毎年何とか社員の給料を上げる努力をしているうちに、不思議なことに会社の利益が増え、私自身の給料も上がって行きました。本当に大事なことは、目先の利益を盲目に追うことではなく、人が育つということはどういうことか、魅力的な会社であるということはどういうことか、お客様に価値を与えるということがどういうことかを考え続け、小さな実践を積み重ねていくことだと、今は分かるようになりました。長い回り道ではありましたが、今後も皆様のお役に立てるよう、努力を続けていく所存です。




コメント