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バイデン大統領の税制案について



バイデン大統領の税制案はトランプ政権の税制とは大きく異なり、富裕層や企業の税金を引き上げ、低・中所得層により多くの恩恵をもたらす税控除の増加に焦点を置いています。以下、バイデン大統領の税制案が可決された場合、個人・企業にどのような影響があるのかを解説します。


個人税務の変更点

  • 400,000ドルを超える課税所得に対する連邦所得税の最高税率が、現行法の37%から「減税および雇用法(所謂トランプ税制改革)」以前のレベルの39.6%に引き上げられます。

  • 所得が100万ドルを超える場合、長期キャピタルゲインと適格配当所得に39.6%の税率で課税します。

  • 課税所得が400,000ドルを超える場合、項目別控除に対する制限、Pease制限(Pease limitation)を復活させます。

  • 400,000ドルを超える所得の場合、項目別控除を28%までに制限します。つまり、所得が400,000ドル以上で28%を超える税率の納税者の項目別控除が制限されます。

  • 相続人が相続財産を譲渡した際の課税を有利にする制度(相続財産の取得価格を市場価格に引き直すstepping-up rule)を廃止し、被相続人の取得価格を引き継ぐ制度に改正します。

  • Biden税制案に以下二つの子女に関する税控除案が含まれています。

    • 子女および扶養家族世話費のクレジットが、最大3,000ドルから8,000ドル(複数の扶養家族の場合は16,000ドル)に拡大されます。

    • 子女税額クレジットは全額還付可能とされ、6歳から17歳の子供には子供1人あたりのクレジット額を2,000ドルから3,000ドルに引き上げ、6歳未満の子供には子供1人あたり3,600ドルクレジットを認めることとします。

  • 非公式の介護者(正式な医療提供者とは対照的に非公式なケアを提供する親、配偶者、その他の家族等)に対し5,000ドルの税額控除を認めます。

  • 400,000ドルを超える賃金または自営業者の収入に対し社会保障税が追加されます。 2021年社会保障税課税上限額である142,800ドル~400,000ドルまでの収入の場合、追加の社会保障税は課されません。

法人税務の変更点

  • 法人税率を21%から28%に引き上げます。収益の高い企業の税金逃れを防ぐため、すべての企業の1億ドル以上の帳簿利益に対し15%の代替ミニマム税を課すとしています。

  • 米国企業の海外子会社が獲得した米国外軽課税無形資産所得(Global Intangible Low-Taxed Income、「GILTI」)の税率を10.5%から21%に倍増させる提案をしています。

  • 課税所得が400,000ドルを超える納税者については、適格事業所得控除(セクション199A)を段階的に廃止します。


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