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ミーティングは学びの場

2022年5月31日


最近よく、「ミーティングは非効率的」、「ミーティングは減らした方が良い」ということを目にします。確かに無駄に思える会議もあると思いますし、大事な会議なのに、なぜか大事なことが伝わらない、と言ったこともあります。世の中に会議を開くと言う手段自体が目的となった会議が増えた結果、会議を開くことの意義が見失われ、会議自体が悪いものとされる風潮があるようです。そこで、弊社では今一度、会議を開くことの意義、そしてそこに臨む姿勢を話し合いました。

  • 会議を開く前に一番大事なことは、「会議を開く目的を明確にする」こと。


会議を開く理由は色々あると思いますが、そもそも何のために会議を開くのかを明確にし、参加者に周知することです。例えば弊社では週次でシニアレベル以上のスタッフが集まり、プロジェクトの編成会議を行いますが、そこでは進捗に応じて、各スタッフのアサイメントが決定されます。アサイメントを決める、というのが目的であり、長く話し合うことは可能であれば避けたいものです。逆に、Beer Bashでは何かを決める、というより、弊社の経営哲学、先月であれば「不満を信頼に変える」ことの理解を深掘りしていきます。何かを決定するのが目的では無く、お互いの経験を共有し、より深く理解をすることが目的となります。その会議で何をしたいのか、主催者は目的を明確に参加者に示しておく必要があります。



  • 会議の中で一番大事なのは、「参加する(価値を出す)」こと。


日米で会議のスタイルが違うことは良く言われることです。日本人がどちらかと言えば会議中静かに黙っている人たちが多いのに比べ、アメリカ人は積極的に発言をします。弊社では、会議は参加者が「実際に参加する」ことで成り立つものだと思っています。もっと言えば、弊社はどの仕事でも、常に「価値を出す」ことを大前提とします。 もし会議に参加して、隅っこでジーっとして、黙ったままで会議を終えるとします。この人は、他の参加者に価値を与えたと言えるのでしょうか?


日本人は、「間違えること」を極端に恐れる性質があるように感じます。逆に私は、大学以降はアメリカで教育を受け、キャリアを積み上げて来ましたが、会議で価値を出さない者は、スタディ・サークルに呼ばれなくなるし、社会人以降は評価を落とし、解雇されるリスクを高めることになります。ある程度文化に根差した考え方なのかな、と思っていたのですが、弊社のマネージャーは、日本でのスタッフ時代、会議中ただ黙っていたら、「ミーティングで何もしないんだったら、ミーティングに出なくてもいいよ。」と先輩に言われ、次の会議から外されてしまったそうです。その会社は2017年にアメリカン・エキスプレスやモルガン・スタンレーなど名だたる会社を抑え、日本一働きがいのある会社と謡われた会社なのですが、ジュニアスタッフでも積極的に発言し、会議に参加することを求められていたそうです。会社として、経験の浅いスタッフが間違った発言をしたことを責めず、会議に参加しようとした姿勢を評価する文化を醸成することが大事なのだと思います。


前提条件は上記の通りですが、実際には流暢にスピーチをする人もいれば、話すのが苦手な人もいます。苦手意識がある人がいきなり話せるようになるのは難しいものです。それを克服するには、話すのが苦手な人や、経験が浅い人ほど、会議の前準備をしておくことが重要かと思います。箇条書きに分かりやすく書いておく程度でも良いと思います。自分が共有したいこと、疑問に思っていることを書き出しておくことで、会議での発言が想定出来るようになります。また、会議の主催者も、前もってどのように会議を進めたいのか、どんな質問があるだろうか、ある程度ブレストをしておくことです。予期せぬ事態は起きるものですが、混乱は少ないに越したことはありません。


それでも中には、どうしても話すのが苦手だという人もいるでしょう。しかし、話せないからと言って悲観的になる必要はありません。経験が浅く、話すのが苦手な人が出来る最高の価値提供は、「議事録を取る」ことです。人間、話した内容を長く記憶に留めておくことは難しいものです。また、「分かったつもり」だったのが、実は分かっていなかった…ということもあります。会議の内容を文章で書き出すことで、分からなかったことを明確にすることが出来ます。だから、話すのが苦手な人、経験が浅いジュニアスタッフほど、議事録を取ることに挑戦してみて欲しいのです。


  • 会議の後に大事なのは、会議の成果を共有し、「認識を合わせる」こと。


取った議事録の精度は、スタッフ個人の能力に大きく左右されます。それを避けるために、経験の多い先輩にレビューを依頼することです。修正点を話し合うことで、理解を深めることが出来るようになります。その上で、参加者全員と共有し、更なる追加・修正が無いか、確認するようにします。全員と共有し、追加のインプットをもらうことで、物事を見る角度の幅を増やすことが出来るようになります。その上で全員の認識が合えば、今後のプロジェクトの方向性もブレなくなります。これは、弊社のもう一つの座標軸、「Expectation Alignment (期待値を合わせる)」に通じる考え方です。全員が同じ方向を向いて進むことで、無駄なコミュニケーションギャップを省くことが出来、皆が働きやすくなります。

会議の進行方法など、細かいテクニックは色々とあるかと思いますが、そもそもの会議に臨む心構えが出来ていなければ、どんな技術も生きてくることはありません。会議を主催する者が会議の目的を明確にしておくこと、参加者全員がそこで学ぶために準備をしておくこと、そこで決めたこと、学んだことを皆で共有し、方向性を合わせておくこと。それが全て出来て初めて会議から皆が十分に学ぶことが出来ます。会議自体、仕事の縮図なのです。ゆえに弊社では、「ミーティングは学びの場」、と定義し、会議に積極的に参加し、学びを深めることを奨励しています。

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