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生命保険信託について

2025年8月15日



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生命保険の死亡保険金は、連邦所得税の課税対象になりませんが、連邦遺産税の計算においては通常、課税資産に含まれます。その結果、遺産の総額が予期せず増加し、遺産税(いわゆる相続税)の負担が大きくなる可能性があります。不要な遺産税の負担を避けるためには、慎重な相続対策が必要です。そこで今回は、取消不能生命保険信託 (ILIT: Irrevocable Life Insurance Trust)をご紹介いたします。ILITは、遺産税対策として非常に有効なツールとなり得ます。


メリット① 節税効果について

ILITの主な目的は、生命保険契約の所有権を信託に移すことです。保険契約を信託に移した後、少なくとも3年以上生存すれば、保険金の全部または一部を遺産税の課税対象から除外することが可能です。

また、ILITが保険契約を所有することになるため、あなたが保険料の支払いのために信託に拠出した現金は通常、贈与とみなされます。この拠出は年間贈与税控除枠 (2025年は19,000ドル) の対象となるので、その結果、課税対象となる遺産を減らすことが可能です。


メリット② 資産承継の柔軟性

ILITのもう一つのメリットは、生命保険金の分配方法を柔軟に設計できる点です。まず、将来の保険料の支払いに備えて、前もって現金をILITに拠出することができます。信託の管理は、本人以外の受託者が担い、保険料の支払いを行うとともに、信託の運営を適切に行います。

また、通常の保険契約では単に受取人を指定するだけですが、ILITでは死亡保険金の分配方法を細かく設定することが可能です。たとえば、配偶者が生涯にわたり保険金の元本と利息を受け取り、その後、残りの資産を一定の年齢に達した子供に分配するなど、自由に設計できます。


ILITの注意点

ILITは、Irrevocable「取消不能」であり、一度契約書に署名をすると、原則として内容の変更もキャンセルもできません。また、ILITを成立させるためには、以下のような生命保険契約に関するすべての権利を放棄する必要があります。

・信託の内容を変更する権利

・保険契約の受取人を変更する権利

・保険契約を担保に借り入れる権利

さらに、ILITは本人以外の第三者が受託者として信託を管理する必要があります。これらの条件を満たすことで、保険金を遺産税の課税対象から外すことが可能となります。


まとめ

ILITは、遺産税対策や資産保全のための非常に有効な手段となり得ます。

ILITを活用した遺産計画についてご相談をご希望の方は、ぜひお気軽に弊所までお問い合わせください。

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