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経営者の視点から ~リサーチから実践まで 仮説・検証・実行・調整~

2023年2月10日

私の職業柄、リサーチをする機会が多いのですが、その際、どう結果を導き出すか、また導き出した結果をどう実践に役立てるかを考えるのは重要なことです。そのリサーチの考え方を、弊社では、「仮説・検証・実行・調整」としてまとめています。一般に言うPDCAと少し似ていますが、最初が「Plan=計画」ではなく、「仮説」となっている所、検証と実行の順番が違うのがポイントですね。



1. 仮説を立てる

  • リサーチをするにしても、闇雲にリサーチをしていては時間が幾らあっても足りません。方向性を決めるために、まずは仮説を立てることが重要です。

  • 仮説自体は間違っていても構いません。仮説を立てる段階で「なぜなぜ」をして思考を深めることが大事であり、その仮説が合っているか、間違っているかを検証していくことがプロセスなのです。

  • 例えば、飲食店の経営を考えている人が、「お好み焼きよりもたこ焼きの方が売れるのでは無いか」と仮説を立てたとします。なぜなら、「アメリカ人は小さくて丸いものが好き」、「一口で食べられる方が食べやすい」かも知れないからです。


2. 検証する

  • 一旦仮説を立てた後は、それが正しいものなのか、進む方向は合っているのかを検証する必要があります。

  • 「たこ焼きの方が売れる」という仮説で言えば、いきなりたこ焼き店を開いてしまうのはリスクが高すぎます。まずはテスト販売をする所から始めると良いでしょう。例えば、アメリカのフェスティバルなどに屋台を出してみて、お好み焼きとたこ焼き、どちらが売れるのか、仮にたこ焼きが売れたとして、お店を持つほどの売上は見込めるのかをテストしてみるのが良いでしょう。

  • この際に大事なのは、「何が売れるのか」を検証すると同時に、「なぜ売れるのか」を確認しておくことです。例えば「表面がカリッとしているのが美味しい」と感じるアメリカ人が多かったとすれば、そう作ると良いでしょうし、売れやすい個数、味付けの濃さなど、可能な限りの工夫を施して、色々な場合を想定したテストをしてみることです。「なぜ売れるのか」が分かれば、どの方向へ進めば良いのかが分かるようになります。

  • このように、少ないコストで方向性を決められるのが、検証の意義です。


3. 実行する

  • 一旦たこ焼きで勝負すると決めたら、実行あるのみです。

  • ここで気を付けなければいけないのが、業務の多さと煩雑さに追われて、基本を忘れてしまうことです。出店となればとんでもない作業量になると思いますが、軸となる所、例えば、売値、仕入れ値、出店地、店員の確保、メニュー、味、それらの大きな軸に関しては確実に仮説・検証を繰り返して固めておきます。その他の業務に関しては、社員や外部のプロに任せておいて良いのです。

  • 店の軸をしっかりと持ち、見失わずに業務を続けることで、その店は徐々に安定してきます。


4. 調整をする

  • 大きな軸を定め、そこを堅守したら、次は細かい調整を入れていきます。例えば、たこ焼きを売る中で、どの部分をお客様が気に入って買ってくれているのか、日々調査をしていくべきです。タコの切り身が小さいことに不満を持つ客が多かったとしたら、思い切って大きな切り身を入れてみるのも良いかも知れませんし、表面の焼き具合や、「タコ」というコンテンツのウケ具合など、お客様がどう思われているか、常に反応を見ながら考えていくべきです。

  • こうして、一旦「定番」と言える商品を編み出したら、今度は別の柱となるメニューを、また「仮説」に戻ってリサーチを始めます。


今回は身近な飲食店を例に挙げましたが、実際にはどの会社も、常に仮説・検証・実行・調整の4つのサイクルを何度も何度も繰り返して成長していくものです。この地道なサイクルの繰り返しを怠らないことが、企業を安定した成長へと導くものだと思います。





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