外国税額控除
外国税額控除は、アメリカで全世界所得を申告し、一方でその国で得た所得税をその国で支払った場合、二重課税になります。
この二重課税を調整するために、「一定の限度額」までなら所得税から控除できる仕組みを「居住者に係る外国税額控除」といいます。
もう少し簡単に言うと、米国で課税される課税所得の中に、海外で課税される所得がある場合に、米国で課税される所得税からその海外で納めたべき外国所得税の額を控除できる、ということです。
限度枠
限度枠は外国源泉所得が全世界所得に占める割合を基準として計算します。その計算の際、外国源泉所得に所得調整控除や項目別控除などの各種控除を按分配賦しなければなりません。
また、限度枠の計算は「(外国源泉所得* ÷ 全世界所得)×アメリカの税額」で求められます。
アメリカの税額とは、全世界所得に対してアメリカの税率を掛け合わせて算出された税額です。
一般的には、外国での滞在日数が多ければ、その分外国源泉所得が増えるため、限度枠が高くなります。そのため、外国での滞在日数が多いほど、外国税控除が取りやすくなる傾向があります。
外国税額の繰延
外国所得税の実効税率が連邦所得税の実効税率よりも低い場合には、限度枠内に収まるため税額控除が全額認められ、高い場合には限度枠を超過した分の外国税が否認されます。限度枠を超えたため否認されて税額控除が認められず未使用となった外国税は、他の年度に繰り延べされます。
カリフォルニア州の事情
カリフォルニア州では、外国税クレジットは認められていません。なぜなら、これはアメリカ政府と各国が租税条約で定めた取り決めであって、州と交わされたものではないからです。
カリフォルニア州在住の納税者は、全世界の所得を申告する義務があるので、海外所得に対しては、アメリカと海外の国両国から課税されます。