内国歳入法第382 条 持分の変更に伴う税務上の損失制限
- TOPC Potentia
- 9月22日
- 読了時間: 3分
2025年9月22日

繰越欠損金(NOL: Net Operating Loss)やその他の租税属性(tax attributes)を有する法人が、内国歳入法第382条に定義される「持分の変更(ownership change)」を行った場合、これらの租税属性には重大な使用制限がかかります。以下では、第382条に基づき、持分の変更後に法人がNOLやその他の税属性を使用する際の制限について説明します。
持分の変更とは
持分の変更は、3年内に5%以上の所有割合を持つ1以上の株主が、その所有割合を合算で50ポイント超増加した場合に発生します。所有割合の判定には、直接保有、間接保有、みなし保有のルールがあります。
限度額の計算
第382条による持分変更前のNOLの年間使用額は以下の制限が生じます。
持分変更直前の欠損法人の企業価値×長期非課税利率
この限度額には株式の償還や資本の縮小(contractions)の調整を反映させなければなりません。長期非課税利率は関連する3か月間の枠のうち最も高い修正連邦長期利率です。課税年度が短い場合は限度額を按分します。未使用の限度額は翌期に繰り越すことができます。
損失と税額控除への影響
この規定は繰越欠損金だけでなく、163条(j)に基づき否認された繰越利子、持分の変更後5年以内に認識した含み損、繰越資本損失の控除にも適用されます。第383条では一般事業税額控除、ミニマム税額控除、外国税額控除などにも同様の制限が生じます。
特別な調整と例外
償還/資本の縮小
欠損法人の企業価値は株式償還や資本の縮小などのイベント後に測定し、控除限度額が人為的に膨らむのを防ぐ。
非事業用資産
欠損法人の資産の3分の1以上が非事業用資産である場合、投資用資産による租税回避を防止するために控除限度額は減算される。
含み益/含み損
純未実現含み益は5年以内に認識した場合、控除限度額を増加することができ、純未実現含み損は持分変更前の損失であったものとみなす。
事業の継続性
欠損法人が変更日後2年以内に事業を廃止した場合、控除限度額はゼロとなる。
株式価値の変動
株式クラスの価値の変動によって持分の変更が生じることはありません。ただし、規則で別途定められている場合を除きます。
コンプライアンス要件
欠損法人は5%株主を含む持分変動を注意深く追跡し、控除限度額を計算する際にはその根拠となる資料を保存しなければなりません。
設例
繰越欠損金(NOL)1,000万ドル、株式価値500万ドルの法人が持分の変更を行いました。長期非課税利率が2.4%の場合、年間控除限度額は12万ドルとなります。この控除限度額までのNOLを毎年課税所得に対して適用し、未使用分は翌期以降に繰り越すことができます。
まとめ
要点 | 説明 |
要因 | 持分の変更( 3年内に5%株主の間で50%超の移動) |
控除限度額 | 持分変更直前の欠損法人の企業価値×長期非課税利率 |
損失への影響 | 繰越欠損金、否認された繰越利子、純未実現含み損、繰越資本損失、特定の税額控除 |
特別な調整 | 償還、資本の縮小、非事業資産、純未実現含み損益 |
税務申告 | 詳細な追跡と立証が必要 |
例外 | 事業の廃止または破産 |
結論
第382条は持分の変更後の繰越欠損金と租税属性の使用を大幅に制限します。控除限度額は企業価値と金利に基づいて決定され、償還、非事業用資産、純未実現含み損益によって調整されます。税制上の優遇措置を維持するためには、正確な評価、持分の追跡、コンプライアンスが不可欠です。法人が事業を廃止した場合は例外規定が適用されます。




コメント