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期待値を合わせる

2021年9月10日

世の中に幾らでも予算を使えるようなプロジェクトは少なく、ほとんどのプロジェクトは一定の予算のもとに遂行されます。予算、と言えばドライですが、実際にはお客様が一生懸命仕事をして得たお金をサービス購入に割り振って頂いている訳です。出来るだけのサービスを提供するのが本懐だと思いますが、例えば同等の依頼内容で500時間割り当てることが出来るプロジェクトと、400時間しか割り当てることが出来ないプロジェクトでは、どうしてもプロジェクトの結果に差が生じてしまうものです。

ベストな結果を得るためには500時間必要なプロジェクトに400時間しか投入出来ないとしたら、取ることが出来る選択肢は二つあると思います。一つはどうして500時間掛かるものなのかを具体的に説明し、納得頂いてご購入頂くこと。もう一つは作業内容を変更し、必要では無いと思われるサービスを省いて簡素化し、その中でのベストな代替案を提案することです。どちらにせよ、お客様の期待値がどこにあるのか、私たちが出来ることは何か、納得するまで話し合うことが必要となります。

期待値を合わせる時、大きく次の3つの要素を見ていくことになります。

  1. 案件を定義する

    • プロジェクトの目的と意義を明確にする。

    • プロジェクトの成果物を明確にする。

2.プロジェクトの工程を明確にする。

  • 各マイルストーンにおいて期限を設定する。

  • プロジェクトの難易度に応じた配員をする。

3.必要となる費用を明確にする。

  • 提示された費用内でベストな成果物を作成できない場合は、代替案を提示する。

初期段階において、お客様の認識と私たちが提供できるサービスの概要をきちんと合わせておくことは、プロフェッショナルとして必要不可欠なことです。しかし、初期段階で認識を合わせても、工程が進むにつれ、少しずつズレが生じてくることがあります。そのような時はタイムリーにお客様と連絡をとり、ズレが生じた理由を明確に伝え、その状況での最善の提案を差し上げることが必要になります。それを随時行うことが出来るのが、真のプロフェッショナルと言えます。

期待値を合わせるのと同時に、常に頭に置いておかなければならないのは、「能力を未来進行形で捉える」ことです。もし今確実に遂行できる仕事ばかりを受けていたら、自分の成長は遅いものになってしまうでしょう。変化が早い現代、自分がゆっくりと歩いている間に、ライバルたちはあっと言う間に先を走っているかも知れません。今出来ることよりも少し上のことに挑戦し続ける。期待値を合わせたことに満足するのではなく、相手の期待値を少しでも超える努力を続ける。その不断の努力があって初めて、人は向上し続けるものだと思うのです。

立場が上がるにつれ、自分の目が届かないことも増え、ハッと気が付くとお客様の期待値を下回ることも度々あるのが正直な所で、それが起きるたびに落胆することもあります。しかし、プロフェッショナルとしてあるべき姿が何かを部下に伝え続け、そうあるために努力を続けること、失敗があったとしても、立ち止まらずに上を向いて進み続けることが経営者として出来る唯一のことなのです。



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