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経営者の視点から ~企業理念が浸透するということ~

2023年3月10日


多くの企業はその企業が目指す事業のミッションやビジョンなどの企業理念を明文化していると思います。また、ほとんどの場合、その企業理念は素晴らしいものを掲げておられるように感じます。ところが、企業理念自体は素晴らしいにも関わらず、その浸透に苦慮されている、という話もよく聞きます。どうすれば企業理念が浸透していくのか、最近お話しした、ある方の言葉がとても参考になりましたので、ご紹介します。


その方は、保育園の園長先生としてご活躍中の方で、ご自身が経営されている保育園の企業理念を「教育を通じて、全従業員の物心両面の幸せを追求し、社会に貢献する」ことだと紹介してくださいました。


その言葉だけ聞けば、正直どこの保育園にもあるような、角度を変えれば、どの企業でも使われているような一般的な文言です。しかし、私が「なぜ保育園を経営することにしたのですか?」と聞いた時の彼女の言葉は、明らかに営利目的だけで会社を経営している人とは違いました。彼女は、「世の中には自ら命を絶ってしまうような子供たちさえいます。私はそんな子供たちを世の中から一人でも減らしたいと願っています。そして私の園の子供たちには、自分が幸せになるだけでなく、自分の友達が悩み落ち込んだ時、その子たちの手助けをできる、そんな人に育って欲しいから、私は教育をしているんです。でも、私一人の力では限りがあります。だから、私と同じことを信じて、一緒に子供たちを教育してくれる、そんな仲間が必要だから、私は経営をしているんです。」と語り、その目には一瞬涙さえ浮かんでいるようにも見えました。


私はその想いを聞いて、人の心を動かすのは、「どれだけ美しい言葉を並べるか」では無く、「その人の思いの強さと純粋さに、どれだけその人自身が突き動かされているか」だと感じました。つまり、その会社が掲げる理念と、経営者自身の生き方がどれだけ一致しているのか、そこに企業理念が浸透する会社とそうでない会社の違いがあるように感じます。


弊社のミッションは、「人と、会社を強くする」、ビジョンは「世界一働きたい会計事務所をつくる」ことです。振り返れば5年前、まだ会社の経営がおぼつかなかった頃は、会社の理念と、私の生き方が一致していませんでした。だから、社員の信頼を得ることが出来なかったのだと思います。会社の成長は、経営者の生き方で決まるものです。彼女の話を聞いた後、弊社のこれからの成長と発展には、やはり私自身が本気で社員たちの成長と幸福を考え、そのために自分の人生を使う覚悟が必要だと認識を新たにしました。





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