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経営のコックピットに入れるべきKPIとは?

2025年6月24日



飛行機の操縦時にコックピットの計器類を確認して状況を把握するように、企業経営においてもKPI(主要業績評価指標)を活用し、経営状態を可視化することが求められます。

KPIは、財務上のリスクや業務上の課題の兆候を早期に捉え、的確な対応につなげるための有効なツールです。


KPIは会社の目標に合わせてカスタマイズを

KPIは業種や業態(たとえばB2BかB2Cか)によって異なりますが、最も重要なのは、それらが自社の経営目標やミッションに適合していることです。

KPIとは、達成すべき目標を数値として具体化したものであり、汎用的な指標をそのまま流用するのではなく、自社の実情に即した意味のある指標を選定することが求められます。


財務KPIと非財務KPIの活用

KPIは大きく「財務指標」と「非財務指標」に分類できます。

財務KPIでは、収益性、成長性、資金繰り、負債の活用状況、資産効率などを把握します。代表的な指標としては以下のとおりです:

  • 負債資本比率 = 総負債÷株主資本

  • 有形純資産比率 = (総負債 − 有利子負債)÷(純資産-無形資産+有利子負債)

  • 流動比率 = 流動資産÷流動負債

  • 売掛金回収日数 = (日数× 売掛金)÷掛売上高

  • 棚卸資産回転率 = 売上原価÷平均棚卸資産

  • 在庫販売日数 = 365÷棚卸資産回転率

非財務KPIは、顧客対応、営業活動、マーケティング、生産性など、業務プロセスに関する定量的な指標を指します。具体例として、以下のようなものが挙げられます:

  • 顧客対応の迅速化を目指す場合:24時間以内に初回対応を行い、最終的に80%以上のクレームを顧客満足の得られる形で解決する。

  • 営業成約率の向上を目標とする場合:今後6ヶ月間で見込み顧客の50%、次の6ヶ月間で60%を成約に結び付ける。


これらのKPIはいずれも、具体性と測定可能性を備えている点が重要です。一方で、「サービス品質の向上」や「売上拡大」といった抽象的な目標では、KPIとして十分な役割を果たすことはできません。


ベンチマークを活用した客観的評価

KPIを評価する際には、他社や自社の過去実績と比較するベンチマークの活用が有効です。たとえば、成約率50%や不良品率1%といった数値も、業界平均や過去データとの比較を通じて、初めてその妥当性を判断できます。

また、指標によっては複数の算出方法が存在するため、他社との比較を行う場合には、どの計算式が用いられているかを明確にしておくことが重要です。

まずは四半期や年単位で自社内のKPIを時系列で比較し、変化の傾向を把握することから始めましょう。たとえば、売上債権回収日数が増加している場合は、回収の遅れにより資金繰りの悪化が懸念される、といったリスクの兆候にいち早く気づくことができます。


社員を巻き込むことが成果を生む

KPIを活用して成果を上げるには、社員の理解と主体的な関与が不可欠です。

そのためには、KPIの改善目標に連動したインセンティブ制度の導入や、進捗状況を可視化する社内レポートの定期的な共有が効果的です。KPIを会社全体で共有すべき共通の目標として明確に位置付けることで、現場における意識改革を促し、業務改善へとつなげることができます。






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