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経営者の視点から ~複雑なものほどシンプルに(Think Simple)~

2024年1月19日



複雑なものほどシンプルに考える、とは言っても、複雑なものを単純なものに置き換えて考える、というと少し語弊があるかも知れません。弊社では、複雑に見えるものでも、実際はシンプルな事象が幾つも重なり合って出来ており、複雑な事象に遭遇した時ほど、自分がまず理解出来る単位にまで分解してから考えていくと良い、という意味で捉えています。

 

あるスタッフが自分の経験を例に説明してくれました。彼女はレゴブロックで建物を作るのが趣味なのですが、普通のレゴとは違って何千ピースも使う様な、例えばホームアローンの映画セットのようなものまで作り上げてしまいます。全体を見れば途方も無い作業量に見えて、どこから手をつけたら完成するのかと思ってしまいますが、最終的には当初の状態から想像も出来ないほどの壮大な作品が完成します。では、実際どのような作業工程で進めているのでしょうか。彼女は、作品を作る際にまず、コアになる部分、例えばリビングに着目して作業を始めます。その後、キッチン、ベッドルームというように、一個一個の部屋を着実に再現していき、最後にすべての部屋をつなぎ合わせて、二階建ての映画セットさながらの見事な作品を完成させます。このように、一見、どこから手をつけて良いか分からないものでも、その着眼点を小さく絞り、一つのコアとなる部分を見つけ、それを土台に着実に完成させていけば、大きな仕事も成し遂げることが出来るものです。実際の仕事でも、大きなプロジェクトのリーダーほど、この様な小さい作業単位に分解して進捗を管理する能力が必要となります。

 

もう少し日常的な話を例にとると、「資料は最初の1ページで相手がすべて理解出来るように作成する」という視点も大事なことだと思います。上手な人が作った資料は、最初の1ページを見ただけで、目的、背景、手段、結論が何なのか、伝えたいことが手に取るように分かります。しかし、そうで無い人の資料は色々な情報がたくさん書き込まれている割に、結局何を言いたいのか、結論がどこにあるのか伝わらないものです。このような資料の場合、読み手の理解が曖昧なままプロジェクトが進むことになり、仕事が一直線に流れず、くねくねと曲がって水が淀むような結果になってしまいます。かと言って、逆に、時短のためだと必要な書類の整理作業を端折るのも、良い仕事だとは言えません。人間、記憶能力には限界があり、数か月もすればもう何が起きたのかを覚えていないものです。必要な情報をどこで把握出来るのか瞬時に理解できなければ、結局再度同じ資料を読み解くための時間が必要になり、シンプルな仕事とは言えなくなってしまいます。必要な情報を適切な場所に書き残しておき、いつでも当時の状況を読み取り、知ることができるからこそ、資料の価値は上がるのです。

 

また、資料単体としての内容はしっかり出来ていても、同様の仕事を別々の顧客のために作成する時に、体裁や記載内容が違う資料を作成する人もいます。資料の構成が統一されていなければ、内容を確認する側としてはどこに期待する情報があるか分からず、余計に時間を取られてしまうことになります。会社、或いは部署毎にテンプレートがあったりするのは、ワークシートを統一することで、伝えるべき情報に一貫性を持たせ、どこに他社との違いがあるのか、読み手の誰しもが要点を瞬時に理解できるようにするためです。

 

このように、

  1. 複雑な事象は、理解できる単位まで分解して考える

  2. 仕事の概要は、最初の1ページで伝わる様な資料を作成する

  3. 同じ内容の業務は、統一したワークシートを使う

 

ようにすれば、複雑な仕事への理解が容易になるもの思います。自身の理解が深まれば、業務内容を効果的に他人に伝えることが出来るようになり、時間の節約、ミスの削減につながり、よりお客様と同僚の信頼を得ることが出来るようになるのでは無いでしょうか。






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