2026年以降の接待交際費・飲食費に関する税務上の取扱い
更新日:20 時間前
2026年10月20日

企業活動において、顧客との関係構築、営業活動、取引先や専門家との打合せ、従業員への慰労などを目的として、接待や飲食に関する費用が発生することは少なくありません。
しかしながら、これらの費用は事業上必要な支出であったとしても、税務上は必ずしも全額を経費として控除できるわけではありません。
米国税法では、「接待・娯楽費」と「飲食費」を区別して取り扱っており、さらに2026年以降は従業員向けの飲食費に関するルールも変更されます。
今回は、2026年以降に適用される主なルールについてご案内いたします。
接待交際費 : 100%損金算入不可
2018年1月1日以降に支出された接待・娯楽費については、原則として税務上の損金算入(経費控除)が認められていません。
主な対象例として、以下のような支出が挙げられます。
ゴルフクラブやスポーツクラブなどの会費
スポーツ観戦チケット
顧客や取引先とのレクリエーション活動
ソーシャルクラブ(社交クラブ)会費
娯楽施設の利用費
その他の娯楽・レジャー関連費用
たとえ事業目的で支出した場合であっても、接待・娯楽に該当する支出は原則として控除できません。 例えば、将来の顧客候補をスポーツ観戦に招待した場合、その活動が営業目的であったとしても、観戦チケット代等の接待費用は通常、税務上控除できません。
事業関連飲食費(Business Meals):50%控除
一定の要件を満たす場合に限り、通常その飲食費の50%を事業経費として控除することができます。
控除要件
事業運営上、通常かつ必要な費用であること
過度に豪華またはぜいたくな支出ではないこと
納税者本人または従業員が会食に同席していること
正当な事業目的を有していること
飲食の提供対象が取引先または※事業関係者であること
※「事業関係者」の範囲
飲食費控除の対象となるためには、食事の提供先が事業に関連する人物である必要があります。
具体的には、「顧客、見込み顧客、取引先、サプライヤー、従業員、代理人、共同事業者(パートナー)、弁護士、会計士、税理士などの専門アドバイザー」のような方が含まれます。
IRSは、従業員も「事業関係者」の一種として取り扱っています。そのため、従業員と外部取引先が同席する会食なども、一定の条件下で飲食費控除の対象になります。
なお、50%控除の対象には、飲食代そのものだけでなく、「Sales Tax(売上税)、配達料、チップ」も含まれます。
接待・娯楽活動に関連する飲食費
スポーツ観戦やその他の接待・娯楽活動に伴う飲食費については、必ずしも全額が控除できなくなるわけではありません。
飲食代が接待費用とは別に購入されている、または請求書上で明確に区分表示されている場合には、その飲食代部分について50%控除が認められる可能性があります。
例 :スポーツ観戦に顧客を招待した場合
観戦チケット代:控除不可
飲食代(請求書で区分表示):50%控除可能
ただし、飲食代として計上する金額は合理的な金額でなければなりません。
例えば、本来一体となっている接待パッケージの費用を、意図的に費用の一部を飲食費として配分することは認められません。
また、請求書上で飲食代と娯楽費が区分されていない場合は、支払額全体が接待費として扱われ、全額が控除対象外となる可能性がありますのでご留意ください。
2026年以降の従業員向け飲食費の変更
2026年からは、一部の従業員向け飲食費について、税務上の控除ができなくなります。
① 会社都合により事業所内で提供する食事
従業員の所得に含めなくてもよいとされていた、会社の敷地内で提供される食事費用
② 事業所内または近隣にある従業員用食堂(カフェテリア)など、雇用主が運営する食事提供施設にかかる費用
対象となる費用には、社員食堂で提供される食事や飲み物の費用だけでなく、厨房スタッフの人件費、設備、諸経費などの運営費も含まれます。
従業員向けイベント/食事会に関する例外事項
一方で、一定の福利厚生活動については、接待費の損金不算入規定や50%制限の例外となる場合があります。
オフィス内のコーヒーや軽食
一般的な休憩室に設置されているコーヒー、飲料、スナック類については、現時点では50%控除の対象として取り扱われるケースが一般的です。
今回の税制改正は、主に前出の①会社都合で提供される食事、②会社が運営する社員食堂等で提供される飲食を対象としています
そのため、従業員が自由に利用できる休憩スペースに置かれたコーヒーやスナック類は、通常これらには該当しないと考えられています。
実際にIRSは2019年の裁定において、次の見解を示しています。
スナック類は「Meal(食事)」には該当しない
テーブルや配膳スタッフがなく、単に軽食が置かれているスペースは「Eating Facility(社員食堂等)」には該当しない
このため、多くの会計事務所では、休憩室のコーヒーやスナック類について引き続き50%控除可能と考えています。
ただし、一部の専門家からは、2026年以降は控除できない可能性があるとの慎重な見方も示されています。
現時点では、IRSが追加ガイダンスの公表を予定しているものの、まだ正式な指針は発表されていません。そのため実務上は、休憩室の軽食やコーヒーを他の食事費とは別の勘定科目に計上し、必要に応じて容易に調整できるようにすることを推奨します。
ホリデーパーティー、ピクニック、およびこれらに類するイベント
全社的なホリデーパーティー、年次ピクニック、夏のレクリエーションなど、主として一般従業員を対象とした行事や懇親会については、飲食費を含めた費用100%が損金算入が可能です。
これらは接待費の損金算入制限および飲食費50%の制限の両方から免除されており、この規則は2026年においても変更されていません。一方、自社の社員食堂がケータリングを行うイベントの取り扱いについては、新規則の下では不透明な点があります。
当該イベントは、主として役員や高額報酬従業員のために開催されている場合は、税制上の優遇措置を受けることができません。2026年において、高報酬従業員とは、一般的に、事業の5%以上を所有している者、または2025年に160,000ドル以上の収入を得た者を指します。この基準額は、海外駐在員や管理職がしばしば超える金額です。これらの従業員はイベントに参加することは可能ですが、イベントが主に彼らの利益のために開催されてはなりません。経営陣やオーナーを対象として開催されるイベント(例えば、経営陣限定の忘年会など)は、要件を満たしません。またその会場のレンタル料や音楽代などは接待費となり損金算入できません。飲食費については、前出の【接待・娯楽活動に関連する飲食費】にあるように別途購入された場合、または請求書に別途記載されている場合に限り、50%が損金算入可能です。それ以外の場合は、費用全額が損金算入不可となります。会場側に明細付きの請求書を発行してもらうよう依頼してください。
従業員との会食
また、取引先などの外部関係者が同席していない場合であっても、レストランでの従業員との会食は、その経費が上記の「事業関連飲食費(Business Meals):50%控除」の項に記載された要件(業務上の目的があり、かつ食事が豪華すぎたり贅沢すぎたりしないこと)を満たしている場合、50%の損金算入が可能となる場合があります。レストランでの食事は事業所の外で行われるため、2026年の改正による影響は受けません。
連邦レベルの変更点のまとめ
費用タイプ | 2025 | 2026 年以降 |
会社都合により事業所内で提供する食事 | 50%控除 | 控除不可 |
従業員用食堂(カフェテリア):食事、飲み物 | 50%控除 | 控除不可 |
従業員用食堂(カフェテリア):運営に係わる費用 | 100%控除 | 控除不可 |
休憩室(カフェテリア外)でのスナックやコーヒー類 | 50%控除 | 通常50%控除; IRSからのガイダンスは未定 |
全社的なホリデーパティー、ピクニック等のイベント | 100%控除 | 100%控除 |
従業員のレストランでの業務上の会食 | 50%控除 | 50%控除 |




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