経営者の視点から ~習慣化する ~
2026年9月17日

先日のBeer Bashでは、「良いと分かっていることを、なぜ続けられる人と続かない人がいるのだろう」という話題になりました。社員たちの体験談を聞いていると、運動でも仕事でも、そして考え方そのものでも、各自がそれぞれの工夫を凝らしていることに気づかされました。良い行動を習慣化するために、私たちに何ができるのか、皆で話し合ったアイデアを共有させて頂ければと思います。
トリガーをつくる
習慣化に失敗する時、私たちはたいてい「自分の意志が弱いからだ」と考えます。しかし、意志の力だけに頼るのではなく、自然とやり出す状況をつくり出すのが上手な社員たちがいました。
あるスタッフは、運動をしようと思った時に、まず運動用の服に着に着替えるだけにするそうです。着替えてしまえば、自然と運動をしようという気分になっていくそうです。また、別のスタッフは、浴室の前に腕立て伏せの道具を置いているそうです。夜、シャワーを浴びようとする時にそれが目に入るので、自分の体調がイマイチな時でも、5分だけでもそこから腕立て伏せや腹筋運動を自然と始めるそうです。
まだやるべき事が習慣化していない場合、「始めること」自体が一番意志の力を使います。そこで、意志の力を最小限にするためにトリガーをつくり、やるかやらないで悩むのではなく、とりあえずやる状態をつくるのです。ハードルを下げることは妥協ではなく、続けるための技術なのだと思います。
サポーターをつくる
運動を習慣にしたいと話してくれたスタッフが、先々週から家の周りを散歩するようになったと言いました。奥様と一緒だから、常にどちらかが励ましてくれるから続いています、と。また、高校時代に自主的な朝練を続けられたのは、一緒に朝練をする友達がいてくれたからだ、と話してくれたスタッフもいました。
自分ひとりの意志だけで良い習慣を身につけることが難しいこともあります。自分の周りにサポーターをつくること、そして困った人がいれば、自分がサポーターになってあげること。そうやって、お互いの習慣化を手助けすることが出来れば素晴らしいことだと思います。
続けたこと自体が自信になる
話し合う中で、「やった結果がすぐに出ないと、モチベーションが出ない」と素直に話してくれるスタッフもいました。これは多くの方が感じていることだと思います。小さなことのようですが、これは非常に大事な気づきだと私は思います。
一日ダイエットをしたからと言って、すぐに効果が出るものではありません。しかし、一ヵ月もすれば、少しずつ効果が現れ始めます。一年もすれば、立派な結果につながっているはずです。
逆に、ジャンクフードの暴食は、その瞬間には幸福感を与えてくれます。しかし、一年もすれば、自分の健康に悪影響が出ていることに気づくでしょう。
目標を確実に短期間で達成できるとは限りません。しかし、やるべきことを続けていれば、その習慣がその人を高め、成長につながります。そして、それが自信につながっていることに気づくはずです。だからこそ、結果だけにこだわらず、良い習慣を続けること、そして努力を続けることができる人間になること自体を楽しむことです。
仕事の習慣が、品質を担保する
習慣は、個人の能力だけでなく、会社の品質にも直結します。あるスタッフは、14年間、毎朝同じ順序で一日を始めていると話してくれました。まずメールを見る。次にカレンダーで今日の予定を確認する。そしてこれまで書き溜めてきたTo-Doを見て、今日やるべきことを決める。この3つを終えてから、初めてその日の仕事を始めるそうです。それを朝やることに決めたのは、難しい仕事は、夜に考えるとどうしても悲観的になるが、朝のフレッシュな気持ちで考えると、意外とシンプルに片づくだったと気づくことがある、だから計画は朝に立てる、と話していたことです。
私の場合、例えばエクセルで仕事をする場合、そこには常に自分のスタイルが存在します。左上に会社名、題名、日付があり、その後にPurpose, Policies / Background, そしてProcedureがあり、Conclusionも分かりやすく書いてあります。Excelを開いた人は、一目見た瞬間に私が何を考え、何をして、どういう結果だったのか、思考の流れが分かるようになっています。これは、記憶力が悪い、という私の短所を補うために自分なりの工夫をし、それが習慣化されたものです。
職業柄、私たちは、常に100%正しくあることを期待されます。しかし、人間の注意力を常に高いレベルでキープするのは難しいことです。例えば、その日にやるべきことは何かをしっかりと把握する習慣をつけておく。確実に仕事が進む自分の仕事のスタイルを確立する。このようなことを続けていくことは、仕事の品質を担保する上で非常に重要なことです。
ここまで運動や仕事の手順の話をしてきましたが、Beer Bashの中で、一人のスタッフが、習慣には行動の習慣だけでなく、精神の習慣もある、そして精神の習慣の方が、行動よりもずっと難しい、と話してくれました。
彼女は以前、何か問題が起きた時に「私は悪くないのに」と思ってしまう自分がいたそうです。責任を引き受けると、人の失敗まで背負わされるように感じる。だから一歩引いてしまう。
それが変わったのは、周りにTOPC Axisを体現している人がいたからだそうです。この状況でも人のせいにしないのか、というのを目の前で見せてもらえたこと、そしてその人たちがどのように成長して行ったかを見てきたから、自分も薄紙を重ねるようにして努力を続ければ、変われるはずだと思えるようになった、と言います。
他責NG、オーナーシップという言葉が弊社のAxisにはありますが、体現するのは容易ではありません。しかし、それを体現している社員が身近にいて、その過程を見ることができれば、人は自然とそちらへ寄っていくのだと思います。
「やりたいと思ったことが無意識にできるようになった時、それはもうその人の人格の一部になっている」と表現したスタッフがいました。人格とは生まれ持った性質よりも、繰り返された行動の集積の方が遥かに大きく影響を与えるものなのかも知れません。であれば、私たちが社内でどのような行動を繰り返しているかが、そのまま弊社の人格になります。そして、社内の文化というのは、知らず知らずのうちにクライアントにも伝わり、大きくは社会にも影響を与えるものです。
習慣化は人をつくります。Axisをただ口にするのではなく、何度も反復し、習慣化していく過程で、周りに良い影響を与える社員を一人でも多く育てていくこと。それが経営者としての私の願いです。




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