能力を未来進行形で捉える - Project our abilities into the future
- TOPC Potentia
- 3 時間前
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2025年5月22日

米国では4年に一度、大統領選挙が行われます。任期は4年で、再選は一回までと限られており、任期は最長8年となります。ここ3回の大統領選挙で、国の分断がさらに明確になった、と言われます。人種、産業、地域、アメリカの現状が抱える問題を見て悲観的になる人は多いようです。
こんな時、思い出す演説があります。
“Ask not what your country can do for you, but ask what you can do for your country. Ask not what America will do for you, but what together you can do for the freedom of man.”
(あなたの国があなたのために何をしてくれるかを問うのではなく、あなたがあなたの国のために何ができるかを問おう。アメリカがあなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、われわれと共に人類の自由のために何ができるかを問おう。)
1961年のケネディ大統領のスピーチが未だに人々の記憶に残るのは、現状だけを見て不満を抱き、政府が何かをしてくれるのを待つのではなく、人類の自由というアメリカ建国の理念のために、自分たちで何が出来るのかを、問いかけているからです。富や名声といった結果を先に求めるのではなく、理念を追求した結果、富や名声がついてくることを体現する国家でありたい、その志こそが、アメリカを大国に押し上げたのです。
現状の不満ではなく理念を追求する姿勢は、会社にも同じことが言えると思います。売上が低い、製品が良くない、社員の能力が低い…会社の現状を見て不満を抱く人たちは多いのではと思います。しかし、私は本質はそこではない、と思っているのです。アメリカと言う強国は250年前には存在していませんでした。アップルも、最初はガレージの中から起業しています。売上も、製品も、社員もいない、ガレージの中のジョブスを見て今のアップルを想像した人はいなかったでしょう。それでも、「Think Different」と言う理念を掲げ、その理念に賛同する社員を集め、彼らが作った他と違う製品が、人々を驚嘆させる未来を夢見て成長していったのです。
社員についても同じことが言えます。現状を見て、社員の能力や姿勢に不満を持つこともあるでしょう。そういった現状の不満への対処も必要かもしれませんが、本当に大事なのは、その社員の未来の成長を願い、それに必要な環境を話し合いながら築き上げていくことでしょう。私が若い頃にも、未熟で能力の足りない私に不満を漏らす上司、逆に私を使い倒したい上司は多くいましたが、私の成長を考え、私の未来のためにアドバイスをくれた上司は数少なかったものです。しかし10年以上経ってなお、私はその数少ない上司のことは鮮明に覚えています。私は評価の本質はここにあるのではないかと思います。
TOPCという会社は、「社員の現状」について評価するだけでなく、「社員の未来の夢、成長した姿」を共有し、どうやったらその未来にたどりつけるか、一緒に考えることが出来る会社でありたいと思っています。
そのためには、まずは経営者である私自身が会社の現状や、社員の現状に不満を持つのではなく、会社の未来、社員の未来に対して「自分が」何を出来るかを真摯に考えなければなりません。そして社員の成長を会社の誰よりも願い、会社の誰よりも努力する存在でなくてはなりません。未熟な経営者なのですが、それでも社員の成長につなげるには何をすれば良いのかを常に考え、常に行動を起こしています。
今のアメリカを見れば問題だらけの国に見えるかと思います。しかし250年前には参政権を持たないイギリスの植民地だった国が、1776年に独立し、1863年に奴隷解放を宣言、1920年に女性に、1965年には黒人に投票権を与え、ゆっくりではありますが、「自由と平等の国」に少しずつ近づいています。現状を見れば足りないことだらけでも、着実にこの国は理念に近づいているのです。悲観する必要はなく、ただもっと正しい理想の国家へ向かうよう、国民一人一人が少しずつ努力を続ければ良いのです。
TOPCも、今はまだ未熟でも、この会社に来てくれた社員のために、私は社員の未来の能力を信じ、社員の努力の結実を信じ、会社の未来の成功を誰よりも信じています。今は能力が足りなくても、努力を続ければ、未来の私たちには、今以上に能力が備わっているはずです。私は現状を見て落胆することなく、私たちが成し遂げるであろう未来の会社の姿を見て努力を続けます。だから弊社は「能力を未来進行形で捉える - Project our abilities into the future」を座標軸に据えているのです。