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経営者の視点から ~ クライアントをファンにする ~

2026年6月23日



8年前、真剣に経営に取り組み始めた時に考えたのが、「TOPC Potentiaとはどういう会社なのかを明文化し、スタッフ全員に伝える」ということでした。こういう会社にしたい、という思いはあっても、思いは伝えなければ始まりません。どういう会社であるかだけでなく、「どのような会社になっていくべきか」を含めて、Beer Bashと称して飲み会のスタイルでお互いに意見をぶつけ合い、後にTOPC Axisと名付けることになる会社の座標軸を作り始めました。技術、サービス、チームワーク、時間、営業、そしてオーナーシップ。この6つの軸に33項目のAxisをあてはめ、続くBeer Bashで更に詳しく社員と共有した後に、その内容に私の思いを乗せて、外部向けに発行していたのが、「経営者の視点から」というニュースレターとなります。


33項目のうち、最後まで書けなかったAxisが「クライアントをファンにする」という項目です。スタッフたちとのBeer Bashの中で、「クライアントがファンになってくれるくらいのサービスを提供できるようになると素晴らしいよね」と話し合った結果なのですが、正直に申し上げますと、まだまだ多くのクライアントをファンに出来る所には到達しておりません。それはひとえに私たちの実力不足、努力不足の結果なのですが、「あなたたち、まだ全然出来てないやん」と思われる部分も多々あることを承知しながら、私たちがどうありたいと思っているかを未来進行形で捉えて頂き、場合によっては皆様の日々のお仕事のヒントになる部分もあるかも知れませんので、忍耐強くお付き合い頂けると幸いです。


単純な仕事の積み重ねが信頼をつくる

例えば給与計算。どの会社でも人事部、或いは経理部の方が定期的に作業を進め、支払いが実行されていることかと思います。しかし、毎月給料が正しく支払われる、その単純な仕事が確実に遂行されている、ということほど大事なことは会社に無いのかも知れません。その当たり前の業務を積み重ねる所から、信頼は生まれるのだと思います。


顧客を知る

「この人(会社)は、私のことをわかってくれている」という安心感は、サービス業ならではの強みです。お客様のビジネスの業界、製品、文化、目指しているビジョンを理解していればいるほど、提供できるサービスの深さが変わります。

お客様の真のニーズがどこにあるのかを、既存のサービスの枠を超えて考え続ける。その姿勢を持てば、長期的な信頼につながっていくのだと思います。


クライアントの成長を本気で願う

弊社のミッションは「人と会社を強くする」です。これはただのキャッチフレーズではなく、本当にお客様の会社が成長することを自分事として捉え、努力を続けることが出来るということだと思っています。クライアントの成長を本気で願う会社は、単なるサービス提供者の枠を超え、パートナーになれるのではないでしょうか。そのような関係性を築くことが出来るまで、お客様の成功を考え続けることが大事なのだと思います。


製品・サービスのファンと、会社のファン

例えば製品を手に取った時、「この製品いいね」という方は多くいるかと思います。それはその製品がニーズを満たしたり、感性に訴えるからでしょう。

しかし、ニーズ以上に、「この会社から買いたい」と思ってくれる方が、真のファンだと言えます。

「買った製品が毎回間違いなかった」という一見当たり前のことを続けてきた結果、であったり、心に残る製品やサービスがあったのかも知れません。その積み重ねで、会社自体のファンになってくれるまで、努力を続ける必要があります。


危機対応 — 本当に困った時にそばにいるか

お客様が危機に陥った時、私たちがそばにいることが出来るのか、どれだけのサポートができるのか、そこに会社としての真価が問われるのではないでしょうか。本当に困った時にいてくれる人ほど信頼できるものはありません。

自分が困った時に人を求める前に、人が困った時にサポートができる人間になる。そういう人には、知らず知らずの間にファンがついてきているものです。


社内文化は、そのままクライアントに伝わる

これはあるアイドルグループを推しているスタッフの発言だったのですが、彼女がそのアイドルグループが好きなのは、グループメンバー同士が、どんな時でも協力しあえる関係性を築いていて、そのグループの文化が好きだからだそうです。

社内の文化というのは、知らず知らずの間にクライアントにも伝わっているものです。弊社が毎月ニュースレターを書き続けているのは、私たちがどのような文化を構築しようとしているのかをスタッフに再度理解してもらうため、そして私たちが何を目指しているのかをお客様に知っていただきたいからです。そして私たち一人ひとりがTOPC Axisを体現できるようになれば、より多くのお客様にファンになって頂けるのではないでしょうか。


今回のBeer Bashの中で、ジャパネットたかたの高田明社長のエピソードをスタッフが紹介してくれました。

2004年、ジャパネットたかたで約51万人分の顧客個人情報が流出するという事故が起きました。高田社長は発覚からわずか2時間で放映停止を決断し、テレビとラジオによる通販番組を48日間、完全に停止されました。その48日間の機会損失は154億円にのぼったと言います。収益の大半を生み出す放映をすべて止めることは、会社にとって死活問題とも言える決断です。そして、その年は創業以来初めての減収となりました。

しかし翌2005年、ジャパネットたかたの売上は906億円となり、前年比243億円増という驚異的な回復を果たしました。さらに2006年には1,080億円を達成し、長崎県初の1,000億円企業となったのです。

なぜそんなことが起きたのか。高田社長は「お客様の信頼を取り戻すことを、売上よりも優先した」と仰います。事故の責任を誰かに押しつけず、「私の責任です」と言い切り、自ら苦境に飛び込んだ。その誠実さと潔さが、何よりも雄弁にジャパネットたかたという会社の「人間性」を語っていたのです。お客様はそれを見ていた。「この会社は、困った時に逃げない」と感じたお客様が、ファンになっていったのだと思います。

もちろん、そのような危機は無いに越したことはないのですが、経営者のこのような覚悟がジャパネットたかたをもう一段階上の企業に押し上げる原動力になったことに疑いはありません。クライアントをファンにする。ほんの一言二言の言葉が持つ重みを、このコラムを書きながら心から感じている次第です。 





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