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経営者の視点から ~ 心を使う ~

2026年5月25日



よほどぼーっとした子供だったのか、子供の頃はよく、「お前は頭を使っとるのか」と先生に言われたものです。社会人になっても、「ちゃんと頭を使え」と怒られることもありました。「使っとらん訳なかろう」とか悪態をつきつつ、実際には考えが浅かったのは確かでした。


技術的なことを論理的に理解する。優先順位をつけ、予定を立てる。このように頭を使って考えることの大切さは、子供の頃から何度も刷り込まれてきます。


翻って、「心を使う」ことは、長らくほとんど意識せずに過ごしてきたように感じます。


駆け出しの頃は思い通りに仕事が進まず、締切の焦りやプレッシャーに押しつぶされそうになることもありました。私はそれでもまだ図太い方でしたが、中にはストレスを抱えて辞めてしまうような同僚もいました。


歳をとって上司になると、今度は部下の仕事が中々出て来ずにイライラしたり、出てきたら出てきたで、仕事のクオリティに歯がゆさを感じる場面もありました。締切は迫っているのに、品質が追いつかない。そういう時についついイライラを部下にぶつけてしまうことがよくありました。


ストレスを抱える部下とストレスを抱える上司。この構図はどの会社にもあるのではないでしょうか。しかし、よく考えてみると、上司も部下も、根っこにある気持ちは同じなのです。「良い仕事をしたい」「お客様に価値を届けたい」「締切をきちんと守りたい」——もしその気持ちが無ければ、焦る気持ちも、クオリティの低い仕事をして申し訳ないと思う気持ちも生まれないはずです。


だとすれば、上司が向けるべき目線は、「できていない現状」への苛立ちではなく、「どうすれば気づけるか」という部下の成長をサポートする方向にあるはずです。部下はまだ能力が追いついていないだけで、良くしたいという気持ちは持っている。であれば、そこをサポートすればいい。それだけのことです。


振り返ると、お互いが共に成長できるはずの場面で、感情がそれを阻んでいたことが少なくありませんでした。大事なのは、自分の感情に振り回されるのではなく、相手の思いを汲み、その成長に意識を向けることです。


心を使うことを意識していれば、少しずつ世の中の見え方が変わってきます。私がそれを禅の先生と話していた時に気づいたのは、40代になってからと、かなり遅い時期でした。もう既にお気づきの方も実は多いのかも知れませんが、もしそうでなければ、社員の皆さん、特に部下を持っている皆さんは、早いうちからそれを意識していると、きっと今以上に仕事が進めやすくなると思いますし、何時の間にか周りの人たちと仕事をするのがもっと楽しくなっていると思いますよ。 





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